熊本・玉名市「スマホ市役所」進化中 手続きや申請30項目をLINEで、アカウント登録1.6万人
熊本県玉名市は「(スマートフォンで)持ち歩く市役所」を掲げ、市民がいつでも、来庁せずに無料通信アプリLINE(ライン)で各種申請や手続きができるサービスを「進化」させている。市民の利便性向上と職員の事務効率化を図るのが目的。既に約30項目で利用でき、今後も拡充する。市によると、全国の自治体でも先行的な取り組みという。 【写真】玉名市のLINE公式アカウントの画面 市は昨年7月、LINEの市公式アカウントから住民票の写しや戸籍証明書、税証明書などの交付申請と手数料決済ができるサービスを始め、順次拡充してきた。現在は、乗り合いタクシーの利用登録▽母子健康手帳交付の予約▽ストーマ装具と紙おむつの継続給付申請▽公民館講座の申し込み-などと幅広い分野で手続きが可能になっている。 サービスのうち、定額減税調整給付金の申請▽保育所などの継続利用申し込み▽女性対象のがん検診申し込み-の3件は今月15日が締め切りとなっている。 市はアンケートや選挙事務の一部にもLINEを活用。今春の県知事選や10月の衆院選では、以前は47投票所から電話で行っていた投票者数の定時報告をLINEに変更し、追加費用なしで省力化や集計時間短縮などの成果が出た。これを参考に他自治体でも導入の動きがあるという。 市によると、市が採用したサービスでは、一連の手続きで収集した情報は、LINEには帰属せず、情報セキュリティーを強化した専用の管理運用システムに保管されているという。 市公式アカウントの登録者数は現在、1万6千人超。担当する松尾和俊・市情報発信係長は「市民は来庁や時間待ちの負担が軽減され、職員は浮いた時間を手厚い対応や注力すべき仕事に充てられる。市民は大いに活用してほしい」と話している。 (宮上良二)