天王寺動物園で「コアラ」の親子登場 さっそく人気者に
天王寺動物園で「コアラ」の親子登場 さっそく人気者に THEPAGE大阪
大阪市天王寺区の天王寺動物園で23日午前、コアラの「アーク」(オス9歳)と「そら」(同3歳)がお披露目され、大勢のファンが詰めかけた。「アーク」は2011年から淡路ファームパーク・イングランドの丘へ、繁殖のためのブリーディングローンで貸し出されていたが、このほど賃貸期間が満了。現地で生まれた第1子の「そら」も、天王寺動物園に所有権があることから、昨年末親子揃って大阪入りし、きょうから公開が始まった。
「アーク」と「そら」は父と長男
天王寺動物園では昨年4月、当時国内最高齢だったコアラの「ミク」が死亡して以来、「アルン」(オス19歳)1頭だけの飼育が続いていた。「アーク」と「そら」の親子が加わり、コアラ館ににぎやかさが戻った。 年齢順に「アルン」は現在国内最高齢。止まり木から落ちてもけがをしないよう、柔らかいマットが敷いてある。「アーク」は、やや神経質なグルメ派で、えさとなるユーカリの葉の好みが日によって異なる。そのため飼育員は葉の組み合わせを変え、「アーク」の口元へ差し出して試食させ、しっかり食べてくれるよう工夫を凝らす。 最年少の「そら」は育ち盛り。飼育員の久田治信さんによると、「父親の『アーク』には似ず、あまり周囲の目を気にすることなく、えさをがつがつ食べてくれる」大らかな性格。木組みの上を元気に動き回ることもあり、子どもたちの人気者になりそうだ。
小1女児「コアラはギュっとしてところがかわいい」
コアラはオーストラリア東部に分布。コアラとは先住民の言葉で「水を飲まない」の意味。一生の大半を樹上で過ごし、ユーカリしか食べない。ユーカリは栄養度が低く、消化に時間がかかるため、一日の4分の3を寝て過ごす。 コアラには北方系と南方系があり、南方系は体格が大きく、体毛が長いのが特徴。国内で南方系コアラを飼育しているのは、同園と淡路ファームパーク・イングランドの丘だけ。 ブリーディングローンとは動物園同士が繁殖を目的として動物を貸し出し、借り入れる契約。動物の購入費がかからないため、希少動物の移動や繁殖を活発に行えるメリットがある。貸し出した動物の所有権は元の動物園に残ったままで、生まれた子どもについては、貸し手と借り手が所有権の協議を行う。 親子コアラを見上げていた大阪府門真市の小1女児は、腕で木にしがみつくポーズをして「コアラはギュっとしているところがかわいい。家族が増えてよかった」と話していた。詳しくは天王寺動物園の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)