寺田早輪子アナ 今月末で退職「皆さんとのつながりはかけがえのないもの」…仙台放送アナウンサーコラム「書ける」
私事で大変恐縮ですが、この春、息子の進学に伴って仙台を離れることとなり、5月末で仙台放送を退職いたします。 1999年の春。就職超氷河期の中、やる気と勢いだけの私が何とか粘ってアナウンサーとして採用されてから26年。縁あって仙台放送に移ってきて20年。大失敗しても温かく見守ってくださった視聴者の皆さん、未熟な私に様々な機会をくださったスタッフの皆さんの懐の深さに感謝の思いでいっぱいです。 中でも、取材先で出会った多くの人々には、「言葉で伝える表現者として鍛えていただいた」と思っています。東日本大震災をはじめ、災害、事件、事故の現場取材では、過酷な状況の中、私が向けたマイクに多くの方が思いを託してくださいました。悲しみ、怒り、教訓、希望…。皆さんのお話には「命」についての言葉がたくさん詰まっていました。「当たり前のように過ぎていく日常も、全て『命』あってこそ。『命』は何よりも大事」。そんな皆さんの言葉を胸に刻みながら、確実に多くの人に届けたいという一心で、これまで奔走してきました。 「何を伝えたくてアナウンサーをしているのか」。そんな表現者としての根っこの部分を一緒に築いてくださったのは、紛れもなく、取材先の皆さんです。「命」について深く考えることができた日々と、皆さんとのつながりは私の人生にとってかけがえのないものとなりました。心から感謝しております。 今後は、息子の成長をそばで見守りながら、これまでとは違った形でアナウンサーとしての活動を続け、「命の大切さ」を発信し続けていきます。結びになりますが、これまで支えてくださった全ての方へ…。本当にありがとうございました。そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
報知新聞社