【解説】“裏金”根絶できるか…「政治資金規正法」自民党の改正案 焦点の「連座制」導入は?
■今回の「キックバック」の金はどうなるのか?
鈴江キャスター 「そして2つ目『“裏金” 「今後」は国庫返納へ』となりますが、「今後」が強調されているのはどういう意味なのでしょうか?」 平本キャップ 「今回の問題はいわゆる『裏金』であるとか、『キックバック』を受け取っていたことがスタートでした。ですから、今後は、『裏金』は全て没収するという姿勢を打ち出したワケですが、今回「今後は」を強調したのは、この案をみて『あれ?』と思ったからです」 「今回明らかになった『キックバック』のお金、これはどうなるんだという点です。ある現職の閣僚も『まずは今回明らかになったキックバックを返納しなければ、有権者の怒りはおさまらない』と指摘しています。キックバックを受けたある安倍派の議員でさえ、『全額、本当であれば被災地支援などに寄付したいけれども、自分だけ1人勝手にはやれない』という声もあります。自民党幹部の1人は、『今の法律では国庫に返納することはできない』と指摘していますが、24日も野党側はこの点を国会で追及していました」
■自民党幹部「格好がつかない」 政策活動費などは今後の検討に
鈴江キャスター 「そして3つ目、『なぜ? 政策活動費は“今後の検討”』なんですが、政策活動費も億単位のお金であったとしても、この費目であれば公表する義務がないものですよね?」 平本キャップ 「はい」 鈴江キャスター 「ここに対しても不信感はあるのですが、なぜ今後の検討となったのでしょう?」 平本キャップ 「今回、自民党が『今後の検討』としたのは、『政策活動費』、さらには『パーティー券購入者の公表基準の拡大』などです」 「自民党はその理由を『企業や個人の政治活動の自由を守るため、慎重に検討すべき』と主張しています。しかし、自民党幹部からでさえ『柱となるこうした議題が、引き続き検討ということでは格好がつかない』というような話も出ています」 「23日に自民党の案が出て、ようやく全ての党の案が出そろいました。与党協議に加え、国会審議も今週から始まります」
桐谷美玲キャスター 「“裏金根絶”につながる法改正になっていくのでしょうか?」 平本キャップ 「それが今後の最大のポイントだと思います。岸田首相も24日、国会で『野党案に歩み寄る余地はあるのか』と質問を受けていました。岸田首相は『議論を深めたい』と述べただけでした。実効性のある法改正に向けて一致点をどこまで見つけられるのか、与野党ともに問われています」