いまだ主力ゼロの阪神2019年ドラフト…高卒5年で戦力外選手も
2024年のドラフト会議まであと2週間を切った。今年も多くのスター候補生たちが、この会議で指名を受けることだろう。 【一覧】2019年ドラフト会議で阪神が指名した選手 ドラフト会議の成果は1年でわかるものではなく、5年から10年かかってやっと答えがでてくるものだ。では今から5年前(2019年)のドラフト会議で指名を受けた選手たちは、2024年シーズン現在で戦力となっているのだろうか。球団ごとに振り返ってみたい。 この年の阪神は奥川 恭伸(星稜出身)に入札したが3球団競合の末、抽選で外れた。2回目の入札では重複することなく、当時、U-18代表にも選出された154キロ右腕・西純矢(創志学園出身)の交渉権を獲得した。西は2年目にプロ初勝利を挙げると、3年目には14試合(13先発)の登板で6勝、4年目も17試合(11先発)の登板で5勝を挙げ、順調に階段を登っているかに見えた。しかし5年目の今年は4試合の中継ぎ登板にとどまっており勝ち星はない。ほぼ二軍で汗を流している。 2位の甲子園優勝に貢献した超高校級スラッガー・井上 広大(履正社出身)は、4年目まで一軍では合計で21試合の出場に留まっていた。しかし5年目の今年は主に9月から起用され、23試合に出場。プロ初本塁打を放つなど、ここまで3本塁打と開花しつつある。右のスラッガー候補として期待は大きい。 3位の速球派左腕・及川 雅貴(横浜出身)は2年目に39試合、3年目は1試合のみにとどまるも、4年目は33試合(1先発)に登板。中継ぎとして起用されてきた。そんななか今年は先発にも挑戦。9試合(5先発)で1勝3敗、防御率2.76の成績を残している。来年以降どのような起用法となるかはわからないが、貴重な左腕として戦力となりそうだ。 4位の遠藤 成(東海大相模出身)はウエスタンで最多出塁率を獲得しながらも戦力外となった。 5位の藤田 健斗(中京学院大中京=現・中京出身)はここまで一軍未出場。まずは一軍での出場機会を掴みたいところ。 支配下ドラフトでは、唯一の大卒選手となった小川 一平(横須賀工出身/東海大九州キャンパス)は1年目に21試合、2年目にも19試合に登板。特に2年目はプロ初勝利も挙げるなど1勝0敗2ホールド、防御率2.95と勝ちパターン入りも目指せる結果を残していた。しかし以降は目立った成績を残しておらず、2023年9月にトミー・ジョン手術を受け、現在は育成契約としてリハビリに励んでいる。 育成1位で指名した小野寺 暖(京都翔英出身/大阪商大)は2年目の開幕直後に支配下登録され、通算で134試合に出場している。昨年は43試合の出場ながら打率.347(75-26)と存在感を示した。一方で育成2位の奥山 皓太(甲府西出身/静岡大)は、2021年に戦力外通告を受けた。 ここまで一軍の主戦力となっている選手は1人もいない。しかしこの年の阪神は支配下指名6人中5人が高卒の選手だった。井上が今年開花しつつあるように、その他の選手も来年以降にブレイクがあるかもしれない。