【中国】地方専項債の投資対象拡大、資金活用へ
中国国務院(中央政府)弁公庁は25日、地方政府がインフラ向けなどに発行する「専項債券(レベニュー債)」の管理制度改善に向けた意見を公表した。調達資金の投資対象を広げ、景気を下支えするインフラ投資を拡充する。 調達資金の用途は、従来の鉄道や駐車場といったインフラに加え、中国の産業政策に符合する集積回路(IC)の生産ラインなどのインフラや、IT、新材料、デジタル経済(データを活用し、通信技術を使って効率を高めた経済活動)、低空経済(低空域を活用した旅客輸送や物流などの経済活動)など新興産業のインフラにも広げる。 「保障性住宅」と呼ばれる低・中所得者用住宅や土地備蓄を除く不動産開発を、専項債を使った投資を禁止する「ネガティブリスト」に組み入れた。テーマパークなどの商業施設や、収益がない巨大彫刻などの建造物もリストに入れた。 北京、上海、江蘇、浙江など10省市と河北省雄安新区を試験地域とし、同地域には資金を充てるプロジェクトを査定する権限を与える。省級政府がプロジェクトを承認すれば、国家発展改革委員会(発改委)や財政省の承認は不要とする。 中国の李強首相が主宰する国務院常務会議は16日、専項債券の管理制度を改善することを決定していた。