今アツい完全新作アニメ『夜のクラゲは泳げない』は“創作心くすぐる”唯一無二の魅力アリ 観るときっと“表現”したくなる
2024年4月からTOKYO MXほかにて放送中の動画工房によるオリジナルTVアニメ『夜のクラゲは泳げない』(以下、『ヨルクラ』)。海月ヨルという名前でイラストレーターとして活動していた女子高生・光月まひるが仲間たちと出会い、匿名アーティスト「JELEE」を結成して成長していく青春群像劇だ。 【画像】フォロワー4万人超え、Xに登場したJELEEの公式アカウントが話題・これまでの場面カットまとめ(全6枚) 本作が描いている「JELEE」を取り巻く創作活動は、クリエイティブ活動をしている人の共感を呼ぶものになっている。本記事では、『ヨルクラ』の魅力と観ているだけでふつふつとエネルギーが湧いてくる理由について迫っていく。 ※以下、アニメ第1話以降に関する内容が含まれます。ご注意ください。
創作活動の喜びと楽しさを描く『ヨルクラ』
『ヨルクラ』の魅力を挙げるとするならズバリ、物語とリンクする挿入歌とSNSだ。「最強ガール」や「月の温度」など、「JELEE」を含めた作中で登場するユニットが歌う楽曲が流れるのだ。挿入歌はストーリーと繋がるタイミングで流れ、『ヨルクラ』の世界観をそのままに演出する。 そして現実世界とのリンクも顕著で、Xでは「JELEE」のアカウントが開設されており、アニメと連動したイラストやキャラクターたちのつぶやきが見られるのが楽しい。また、「推し活」や「解釈違い」のような現代の“推し文化”をおさえている。特に10~20代の若者が親しみやすい作品だといえるだろう。 そして、『ヨルクラ』に登場する「JELEE」のメンバーは役割分担しており、4人の力でユニットを形作っている。まひるはイラスト、山ノ内花音は作詞とボーカル、高梨・キム・アヌーク・めいは作曲、渡瀬キウイは動画制作を担当。元アイドルだったり人気Vtuberとして活躍していたり、それぞれのキャラクターが持ち前の特技をいかして楽曲やMVを制作しているのだ。 第1話では、まひるが壁一面に描いたクラゲの絵を花音が絶賛し、「大ファンです!!」とまひるの絵に一目ぼれしたことを伝える。驚きと共に、照れた表情を浮かべるまひる。描いたイラストが人に褒められ、応援してくれるファンがつく。イラストに限らず、創作をする人にとってこれほどうれしいことはないだろう。 元アイドルで推される立場だった花音が、今度は推す側になっている関係性の変化も面白い。創作や好きという気持ちがもたらす楽しさを目一杯描いており、クリエイティブ活動をしている視聴者の心をガッチリ掴む第1話だ。