“朝ドラヒロイン”髙石あかりも 橋本環奈、長濱ねるら、女優として飛躍する“元アイドル”
さらなる飛躍が期待される齊藤なぎさ、あの、長濱ねる
●齊藤なぎさ ほかにも、元=LOVEの齊藤なぎさも、さらなる飛躍が期待される若手の一人だ。=LOVE在籍中から舞台『あにてれ×=LOVE ステージプロジェクト「けものフレンズ」』や『幸色のワンルーム』(朝日放送)、『明日、私は誰かのカノジョ』(MBS/TBS)などで経験を積んでいた齊藤。2023年に卒業してからは『最高の生徒~余命1年のラストダンス~』(日本テレビ系)や『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)、映画『交換ウソ日記』など、学園ドラマを中心に等身大の演技を見せてきた。現在放送中のドラマ『私たちが恋する理由』(テレビ朝日系)では、これまでの学生の恋愛から大人な恋愛に初挑戦。演じるのは小柄で若く見られる傾向にあるが、見た目とは裏腹に責任感が強いしっかり者の小津京。大柄で筋肉質な大島蛍に熱烈なアプローチをする、これまでありそうでなかったキャラクターだ。 11月28日よりPrime Videoにてドラマの配信、12月20日からは映画版の公開も控える『【推しの子】』では、アクアの双子の妹・ルビーを演じており、すでに公開されているキービジュアルや映像から伝わるのは、齊藤のアイドル適性の高さ。=LOVEでの経験が活かされる役となりそうだ。 ●あの 同じく『【推しの子】』への出演が決まっているあのにも注目したい。あのと聞くと、最近はアーティストのanoを思い浮かべる方が多いかもしれない。アニメ『チェンソーマン』のエンディングテーマ「ちゅ、多様性。」を始め、多くのヒット曲を生んでいるあのだが、以前はアイドルグループ・ゆるめるモ!のメンバーとして活動していた。独特なキャラクターからバラエティ番組で重宝されることが多いが、実は女優としてのキャリアも豊富だ。遡ると2016年には『咲-Saki-』(MBS/TBS)に始まり、『ガチ恋粘着獣』(ABCテレビ)や『サイレント・トーキョー』といった作品に出演し、演技力の高さを示してきた。 2024年は残業をモットーとする小鳥遊署のギークたちが、週末の井戸端会議で事件解決をスーパーアシストするさまを描いた『ギークス~警察署の変人たち~』(フジテレビ系)で、おっとりしているが、月末の締めの時期になると態度が一変する河井リリカをキレのある演技で表現し、現職の総理大臣・武藤泰山と国民の誰かが、毎話ランダムに入れ替わる『民王R』(テレビ朝日系)では、主人公・武藤泰山(遠藤憲一)と入れ替わったあのの硬派な演技が話題となった。『【推しの子】』も控え、女優としても飛躍の1年になったはずだ。 ●長濱ねる 坂道グループからは元欅坂46の長濱ねる。NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』の出演を機に『警視庁アウトサイダー』(テレビ朝日系)や『君と世界が終わる日に 特別編』など、女優として可能性を広げている。大きく節目が変わったのが2023年。『ウソ婚』(カンテレ・フジテレビ系)でヒロイン・千堂八重を演じると、『院内警察』(フジテレビ系)、『十角館の殺人』(Hulu)、『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~』(WOWOW)と立て続けにヒロインを務め、一躍脚光を浴びる。2024年に放送された『366日』(フジテレビ系)では、負けず嫌いで強気な性格だが、恋愛となると奥手な下田莉子を演じており、その一つひとつの所作から感じる丁寧な演技がとても良かった。 現在放送中の『若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―』(日本テレビ系)では役者志望の三女・町田衿を演じている。長濱はエッジの効いた役こそないが、等身大の役を演じたときのハマり具合は抜群だ。もっといろいろな表情の長濱が見たいと思いつつも、まずは主演として一作演じるのを見てみたい。 現在は“元アイドル”として紹介されることはほとんどなくなっており、それは彼女たちが女優として広く浸透しつつあることを示している。彼女たちの活躍が、現役アイドルにとっても、アイドルを応援するファンにとっても希望を与える存在となっているのだ。
川崎龍也