Mozillaが「Firefox」でAI統合のテストを開始 ~「Edge」「Chrome」とは異なる道を模索
「Microsoft Edge」は「Copilot」、「Google Chrome」は「Gemini」……自社製AIをWebブラウザーへ統合するトレンドが強まるなか、MozillaはAIの採用においても独自の道を模索しているようだ。Mozillaは6月24日(米国時間)、Nightly版「Firefox」でAI統合のテストを開始すると明らかにした。 【画像】Nightly版「Firefox」の[実験的な機能]設定ページ(about:preferences#experimental) 「Firefox」はAI統合に慎重な印象を受けるが、PDFドキュメント内の画像に代替テキストを追加するアクセシビリティ機能のためにローカル生成AIを今月初めに導入したことでもわかるように、決してAIを拒んでいるわけではない。プライバシーを損なうことなくユーザ体験を向上させることができるのであれば、積極的に導入したいというのが開発チームの考えだ。また、「Firefox」はユーザーの選択肢を重視しており、ローカルモデルであれ、クラウドベースモデルであれ、AIを使いたいのであれば、ニーズにもっとも適したツールを使う(あるいは使わない)自由があるべきだとも考えているという。 そこでMozillaは独自の基準を設け、それを満たすAIサービスをユーザーが選べるようにしたい考え。具体的には、ユーザーがAIを利用することに同意(オプトイン)した場合のみ、サイドバーから好みのAIサービスにアクセスし、以下の機能を利用できるようにする。これらはあくまでもNightly版「Firefox」でテストされるオプションであり、既定で有効化されたり、「Firefox」のコアには組み込まれたりはしない。 ・好みのチャットボットをサイドバーに追加し、閲覧中に素早くアクセス ・Webページからテキストを選択して、コマンドをチャットボットへ送信する ►抜粋を要約する ►表現を簡単にする ►記憶や理解度を試すためにクイズを出してもらう この機能を有効化するには、Nightly版「Firefox」の[実験的な機能]設定ページ(about:preferences#experimental)へアクセスする必要がある(編集部未確認、今週にも開始される見込み)。選択できるAIプロバイダーは以下の通り。 ・ChatGPT ・Google Gemini ・HuggingChat ・Le Chat Mistral Mozillaの基準を満たすAIプロバイダーがあれば、このリストはいずれ拡充されていくはずだ。また、サードパーティのプロバイダーを利用する代わりに、プライベートで完全にローカルなチャットボットを簡単に設定できるオプションを提供することも検討しているとのこと。
窓の杜,樽井 秀人