「真面目かつ地道に練習できる国民性と相性がいい」日本のスケートボードがどんどん強くなっているワケ
■クセのあるコースへの対応力が弱点と言われる さらに言えば、現在の日本はクセのあるコースに対する対応力が弱点だと言われている。高得点が狙えるメインセクション(障害物)がオーソドックスなレールであれば平均レベルは世界トップだろう。だが応用力が必要とされるコース、パリ五輪でいうメインの階段中央にあったバンク(斜面)から障害物を越えて入るようなレールになると対応できなくなる節がある。 今までもあったが、強豪国対策として、今後はコース設計でそういった部分がさらに強化されていくだろう。先日のWORLD SKATE GAMES(世界選手権)でもその傾向は見て取れた。スケートボードスキルは絶えず進化し続けているが、それはコースも同様。好成績をあげた国が出ると、それに呼応するようにコース設計にも変化が生まれる。そうしたせめぎ合いはこれからも続いていくのではないだろうか。 海外では地味でコツコツ行う仕事よりも発想が重要視されることがある。それがコースやルールだけでなく、採点に反映されることもあるかもしれない。それであれば、前述の弊害を排しつつ、いかにして日本人の国民性を好ましい形で発揮していくのか? がパリ五輪後の課題ではないだろうか。 ---------- 吉田 佳央(よしだ・よしお) フォトグラファー・スケートボードジャーナリスト 1982年生まれ。静岡県焼津市出身。高校生の頃に写真とスケートボードに出会い、双方に明け暮れる学生時代を過ごす。大学卒業後は写真スタジオ勤務を経たのち、国内最大手の専門誌にてシーンの最前線を記録し続け、2017年に独立。現在は日本スケートボード協会をはじめ多くの国際大会や国内主要大会のオフィシャルカメラマンとして活動。ファッションやライフスタイル、広告等幅広いフィールドで撮影しながらも、様々なメディアへの記事も寄稿。書籍の監修や教育講座の講師も務め、スケートボードを通して社会の課題解決や文化の発展に尽力している。 ----------
フォトグラファー・スケートボードジャーナリスト 吉田 佳央