韓国合同参謀本部「北朝鮮の汚物風船、4カ月で5千個超…一線超えた場合は軍事措置」
韓国軍合同参謀本部(合参)は北朝鮮の汚物風船について、これまでのように「落下後回収」の方針を維持する一方、「国民の安全に深刻な危害が発生した場合や一線を越えたと判断された場合」には断固たる軍事的措置を取ると述べた。 合参は23日午前、「北朝鮮の汚物風船散布に関する韓国軍の立場」を発表し、「(北朝鮮の)汚物風船の散布行為が長期化し、一部では空中撃墜など軍の物理的対応を求める声もあるが、空中撃墜によって予想できない危害物質が拡散した場合、韓国国民の安全にさらに大きな問題に引き起こす恐れがある」とし、このように説明した。合参は「軍事的措置の詳しい内容は明らかにできない」と述べた。 合参のイ・ソンジュン広報室長は同日の定例会見で、「北朝鮮が一線を越えたという判断」について、「明確な線を今申し上げるのは難しい」としたえうで、「現在、北朝鮮のグレーゾーンの挑発が長期化しており、国民に不便をかけ不安を与えているため、これまでの軍の立場を整理して発表した」と述べた。 イ室長は「国民の安全における深刻な危害」と関連し、「国民の生命に危害がなければ、まだそのような状況ではないとみている。仁川空港や金浦空港にも(風船が)落ちているが、そのような状況は危険性がより高い行為といえる」と述べた。さらに「これまで発生した被害状況は一線を越えたとはいえないのか」という質問に対し、「韓国軍が軍事的な措置をさらに取るほどの事案はなかった」と答えた。 また「北朝鮮の風船で死亡する人がいる場合は一線を越えたと判断できるのか」という質問には「その可能性がある」と述べた。 合参は、北朝鮮が5月28日から同日まで22回にわたり計5500個以上の風船を飛ばしてきたとし、「国際的な恥さらしであり、稚拙な行為で、韓国国民に不便と不安を与え、南南対立(韓国内での対立)を誘発しようとする低級な行為」だと説明した。 韓国軍当局は、一部地域で起きた風船を破裂させる発熱装置が原因の火災については、「正確な火災の原因は調査しており、火災発生時に火が広がらないよう予防対策と事後対策を立てている」と説明した。 合参は「北朝鮮の汚物風船によって不便と困難があり得るが、汚物風船を根絶させる根本的な対策は『(北朝鮮に汚物風船では)何も得られない』と思い知らせること」だと述べた。 クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )