【在職定時改定制度】老齢厚生年金の受給者が「厚生年金」に加入して働くと「年に1回」年金が増えるが注意点も!
在職定時改正制度で年金額はいくら増える?
在職定時改正制度により、実際に老齢厚生年金がいくら増額されるのかが気になるところです。増額分は以下の計算式で求めます。 老齢厚生年金の増加額=標準報酬月額×5.481/1000×新たに反映される厚生年金保険加入期間の月数 標準報酬月額が18万円・20万円・25万円(それぞれ賞与なし)の場合の、1年間の増額分と5年間の増額分は以下のようになります。 標準報酬月額15万円 ・1年間:9865円 ・5年間:4万9325円 標準報酬月額20万円 ・1年間:1万3154円 ・5年間:6万5770円 標準報酬月額25万円 ・1年間:1万6443円 ・5年間:8万2215円 標準報酬月額が20万円の場合、1年間で1万3154円の増額が見込まれ、70歳までの5年間で条件が変更しない場合、6万5770円の増額が可能です。 標準報酬月額が高額になるほど、年金の増額幅も大きくなります。
年金が支給停止になる「在職老齢年金」に注意
収入を増やせば、老齢厚生年金を増額することが可能ですが、高額な給与を得ると「在職老齢年金」により年金額が支給停止になる可能性があります。 ●年金月額と給与の合計が50万円を超えると支給停止に 年金月額と給与の合計額が50万円を超えた場合、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になります。なお、賞与が支給される場合は、1年間の賞与の合計額を12ヵ月で除した金額を給与にプラスして計算します。 ・年金月額+給与が50万円以下:全額支給 ・年金月額+給与が50万円超:「基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2」で求めた金額が支給 年金月額と給与の合計額が50万円以下であれば、老齢厚生年金は全額支給されますが、50万円を超えた場合は、減額調整が行われます。 ●在職老齢年金のシミュレーション 年金月額と給与の合計額が50万円を超えた場合の、老齢厚生年金額をシミュレーションしてみましょう。 【シミュレーション条件】 ・年金月額:20万円 ・給与:22万円 ・賞与:150万円(1年間の合計額) 1年間の賞与150万円を1ヵ月あたりの金額に換算すると12万5000円になり、給与の22万円と合計すると34万5000円になります。 年金月額20万円-(年金月額20万円+給与34万5000円)-50万円}÷2=17万7500円 本来であれば老齢厚生年金は20万円支給されるはずですが、2万2500円が一部支給停止となり、17万7500円が支給されることになります。