奥智哉、20歳目前に話題作『十角館の殺人』でドラマ初主演 「肩肘張らず自然体」を意識
■ドラマ初主演も「自然体でいよう」
人気ミステリー作家・綾辻行人のデビュー作を実写化したHuluオリジナル『十角館の殺人』。本作で主人公・江南孝明を演じるのが若手俳優の奥智哉だ。奥にとって本作がドラマ初主演、しかも人気原作の実写化という大きな重圧を背負うなか、現場ではどんなことを得たのだろうか――話を聞いた。 【写真】奥智哉、美しさと色気あふれる撮り下ろしショット! 小説という文字だからこそ……という仕掛けがふんだんに散りばめられたミステリー作品だけに、実写化不可能と言われた綾辻行人のデビュー作にして傑作と名高い『十角館の殺人』。そんなチャレンジングな作品で主人公を務めることになった奥は「本格的なミステリー小説を読んだことは初めてかもしれません」と原作を夢中になって読んだことを明かすと、「生の人間の情報をイメージしづらいところをトリックの肝にしているので、どうやって映像化されるんだろうというのは、すごく興味がありました」と印象を述べる。 難解な作品が初のドラマ主演という大役となった。原作のことを知れば知るほど、だんだんと重圧は大きくなってきたというが、内片輝監督から「優しいメンバーだから、固くならずに楽しんで」と声を掛けられたことで、「主演だからといってなにか肩肘を張ることなく、自然体でいるように意識しました」と撮影を振り返る。 奥のこうした心掛けを助けてくれたのが、奥が扮する江南とバディを組む島田潔を演じた青木崇高だ。奥とは20歳以上も年齢が違う大先輩であり、奥が俳優という仕事に興味を持つきっかけとなった『るろうに剣心』シリーズで相楽左之助を演じた憧れの存在だったが、「もちろんスター感はすごかったのですが、とても優しくて面白い方でした」と相手を緊張させない親しみやすさで奥を包み込んでくれたという。
■内片監督が親身に寄り添ってくれた
周囲の人たちの心配りのおかげで、主演という大役でも、伸び伸びと撮影に臨めたという奥。一方で、本格ミステリー作品で主演を務めたことで得たことは多かったという。 「今回、本当に原作をしっかり読み込みました。そのことで脚本に書かれていない部分のディテールを身体にしみ込ませることができました。小説ならではの情報を知り、脚本に書かれていない人物の奥行きを感じられたおかげで、行動一つ一つが腑に落ち、より真実味が増すような気がしました。今回の作品を通じて、準備することの大切さを勉強することができました」。 また内片監督からは“見え方”も学べたという。「僕は13歳ぐらいのころから演技レッスンを受けていたのですが、6年経ったいまでも、まだまだ全然だなと思うことが多いんです。でも監督とご一緒して、顔を上げるタイミングや目線の持っていき方一つで、映像の説得力が増すことを知りました。本当に親身になって細かいところまで寄り添っていただけたので、とても大きな経験になりました」。 シーン終わりには、内片監督とカメラブースにいって、その都度シーンを観返し、芝居の確認をしたという。「監督のおかげで表現の幅が格段に広がったような気がしています」と感謝を述べる。