新年の相場予測、当たらないことが多いのはなぜ?
今年は年初から6日連続で株価が下落するという現象が起こりました。これは戦後の日本の株式史上初めてのことだそうです。
無難な予想に終始
毎年お正月の日本経済新聞には恒例の株価予測、年間の高値と安値を有名企業の経営者が予測するコーナーがあります。今年は元旦の新聞に載っていましたがこれを見るとほとんどの予測が安値1万8,000円、高値2万2,000円となっています。20名の予想者のうち、1万7,000円と予測した2人を除いてあとは全員1万8,000円以上を予測しています。つまり日本を代表する一流企業の経営者の9割は年初わずか1週間でほぼ全員が予想を外してしまったというわけです。こんな人たちに経営を任せておいて大丈夫か、という声が出てきそうですが、目先の株価の動きなど、誰にもわかりません。それに恐らくこの経営者の人たちのほとんどは自分では予想しておらず、誰かスタッフが原稿を作ったに違いないでしょうから、心配しなくてもいいと思います(笑) この欄に限らず、1年の初めには、いろいろな新聞や雑誌でその年の株価や為替の予想が出てきます。これらの多くはアナリストやエコノミスト、ストラテジストと言われる人たちがコメントしています。また、株や為替の相場が大きく変動したときにも「ここからの予想レンジ」みたいなものがよく紙面を飾ります。ところがこれらの予想をよく見てみると、多くの場合一定の法則があることに気が付きます。 まず、ほとんどの予想者が現時点での数値をベースにしていること。 そして二つ目は現時点でのトレンドに沿った予想になっていることです。例えば上昇基調であれば、ここからの幅を上値7割下値3割くらいに予想しています。下落基調の場合で言えばその逆ですね。 そして三つ目は現時点での数値に比べて極端にかい離した数値を予想する人がいないことです。その結果、多くの予想は無難なものになってしまうのですが、実際のマーケットというのは意に反してかなりドラスチックに動くこともあります。そんな時は多くの予想は結果が外れるということになります。前述の経営者による株価予想も非常に無難な予測になっているからこそ、ほとんどの人が1万8,000円~2万2,000円というレンジに落ち着いたのでしょう。