ひろゆき&武井壮の百獣の王vs論破王⑧ いよいよパリ五輪開幕!武井オススメ競技「ブレイキン」のルールって知ってる?【この件について】
武井 だから、そういう選曲も含めてブレイキンがどうなるか楽しみだよね。でもさ、こういうルールを知っている人は、まだ少ない気がするんだよ。 ひろ 僕も今回初めて聞きました。というか、武井さんから聞かなかったら、ずっと知らなかったかもしれない。 武井 でも、これで2倍楽しめるでしょ? ひろ いや、2倍どころじゃないと思いますよ。さすがにテレビ中継では解説してくれるんでしょうけど、会場で見ているとわからないと思うんです。で、フィギュアスケートみたいに「自分でセレクトした曲ね」と思ってしまう。 武井 だよね。だから、競技を見て、ただ「うまい」と思うか、「え、この曲で踊るの?」と思うかで楽しみ方はずいぶん違ってくると思う。ブレイキンを盛り上げるために、フランスにいるひろゆきの友達にこの知識を広めておいてよ。 ひろ わかりました。まあ、見に行く人が何人いるかわからないですけど(笑)。でも、ブレイキンって、ほかの競技とかなり違っていますよね。 武井 それは文化的な背景があるからだよ。ヒップホップやブレイキンは、争いが起こったときに拳銃や拳で戦わずにダンスやラップでケリをつけたというルーツがある。だから、よく腕組みをするポーズをするでしょ? あのとき、手を拳銃の形にしているのよ。 ひろ それって、拳銃をしまっているという意味なんですか? 武井 そう。「銃はここに隠してるぜ」というポーズ。あとはスラム街で生まれたという歴史もあって、自分たちはこのカルチャーで成り上がるんだという歴史的意味も込められている。だからこそ、そういう文化をよく知っていて、今日はこの服を着てきましたということが評価されたりもする。 ひろ でも、ブレイキンっぽくない服の人もいますよね。 武井 動きやすいただのスポーティな服装で来る選手もいるよ。そういう選手はアスレチックな能力を見せても「やっぱり服装がクールじゃないよね」と高得点が出づらくなったりもするみたい。 ひろ ちなみにフィギュアスケートって、衣装は別に点数には換算されないですよね? 武井 換算されないけど、露出が激しいと減点の対象にはなるよね。フィギュアスケートは芸術点があって、自分の選んだ曲の内容と振り付けと衣装がマッチしていて、美しく見えることまで審査されてると思う。でも、ブレイキンは歴史的な背景が複雑に絡み合っているし、選曲はランダム。そういうところを含めて見てみると面白いなと思うよね。 ひろ 文化的な知識も採点に影響するというのは、なんかスポーツの幅をだいぶ広げてきた感じですよね。 武井 そうだね。 ひろ 果たして、それはスポーツの大会の審査基準としてふさわしいのかという気もしますけど。 武井 もうスポーツの定義が広がっているじゃん。ゲームだってeスポーツといわれる時代だし。 ひろ 武井さん的には寂しくないんですか? 武井 もちろん、100mの世界最速を決めるのも楽しいよ。でも、身体能力以外の要素がある競技も面白い。いろんな知識や能力が必要になるということは、そのぶん可能性が広がるわけだから。新時代のスポーツってそういう広がりも楽しいし、もっといろいろ競い合えるといいよね! *** ■西村博之(Hiroyuki NISHIMURA) 元『2ちゃんねる』管理人。近著に『生か、死か、お金か』(共著、集英社インターナショナル)など ■武井 壮(So TAKEI) 1973年5月6日生まれ。東京都出身。タレント、元陸上十種競技日本チャンピオン。格闘技、野球、ゴルフなど様々なスポーツの経験を持つ。公式Webサイトは【】、公式Xは【@sosotakei】 構成/加藤純平(ミドルマン) 撮影/五十嵐和博 ヘア&メイク/奥野誠