高橋礼の中学時代のコーチが語る下手投げ転向秘話 きっかけは河川敷での遊びから
◆JERA セ・リーグ 巨人3―0DeNA(7日・東京ドーム) 巨人・高橋礼が移籍後初勝利。今や希少種となった下手投げ。きっかけとなったのは、中学時代に所属した「流山ボーイズ」の当時のコーチ・新佐古剛人さん(36)の存在だった。早大時代に斎藤佑樹氏(元日本ハム)ともプレーした同氏が理由を明かした。 187センチの上背を持ちながら、アンダースローで相手を幻惑する。転機は「流山ボーイズ」時代の中学2年の冬。当時は上手投げで3~4番手の投手だった。新佐古さんから「横から投げてみない? やりたくなかったら全然いいし、やりたくないって言っても見捨てないから自分で決めな」と勧められた。 翌日転向を決断した高橋礼は「迷いはなかった。これをきっかけに、試合に出られるようになったらいいなという思い」と振り返る。 当時の身長は175センチ。転向を勧めた理由とは―。新佐古さんは「バント処理の練習で、三塁に投げるときに捕ってそのまま回転して横から投げるのがむちゃくちゃうまかった。正確で質がいい」。さらに練習場は河川敷。横から石を投げる水切りのうまさにもセンスを感じた。「体の使い方が上から投げるよりも良くて、出力が大きいのかもしれない」と考え声をかけた。 最初は横手投げだったが「手先も器用で、もっといい球を投げようとやっていたら自然とアンダースローになっていました」(新佐古さん)。 中学3年時には背番号1でエースとなった。専大松戸2年時には上手投げへ再転向したが、約1か月で下手投げに戻した。 今でも2人は連絡を取り合う。新佐古さんは「まずは1年間ローテを守ってほしいですし、世界大会で通用する人だから、もう一回、日の丸に返り咲いてほしいです」と期待した。
報知新聞社