「空気が読めない」部下にモヤっとしたらすべき事 発達障害グレーゾーンの人へ適切な対処法とは
しかし、Jさんには言葉の背後にある真意は伝わっていないようで、「定時になったので帰るだけです」と言って、悪びれもせず帰ってしまいます。 ■言葉の裏を読むことが苦手 ■なぜ、このようなことが起こるのか? JさんのようにASD傾向のある人は、言葉の裏側にある相手の真意などを読み取ることが得意ではありません。また、ASDに多いといわれるデジタル脳(0か1かで捉えるため、中間を理解することが苦手)タイプの人は、人間の心のような0か1かで割り切れないものを、きっちりと把握することができません。
そのため、ぼかした言い方や嫌味などが伝わりにくいことがよくあります。周囲の状況を判断し、空気を読むことが苦手なのです。 ■周りはどうしたらいいのか? ASD傾向のある人は、同じチームの他のメンバーが忙しそうにしているときは手伝うべきだ、などという“暗黙のルール”のようなものを思い浮かべることが苦手です。 一方で、就業時間など、はっきりと決まっている職場の規則やルールを忠実に守ることは得意です。
リーダーは、ASDの特性を理解したうえで、他のメンバーの仕事を手伝うようにという指示を、そうすべき理由とともに早めに伝えるようにすると良いでしょう。彼らは臨機応変に対応することが得意ではないため、早めに伝えておくのがポイントです。 ADHDの傾向があるKさんの場合 Kさん(女性30代)は会議が苦手です。 自分の企画を発表するときはいきいきとプレゼンすることができますが、興味がない他の人のプレゼンが長引いたりすると、イライラして我慢できなくなり、指でペンをクルクルと回したりカチャカチャさせたりして、落ち着きがなくなります。
ひどいときは居眠りをして、上司から注意されることもありました。 また、他の人のプレゼンをあまり聞いていないにもかかわらず、「長いわりに理解しにくい内容でした」などと、厳しい言い回しで批判することもあります。 会議の参加者は、Kさんの態度を見て、「協調性がない」「落ち着きがない」「自分勝手」と思うようです。 ■長時間じっと話を聞くのが苦手 [なぜ、このようなことが起こるのか? ] ADHD傾向のある人は、長時間じっと話を聞かなければいけないというような状況が、あまり得意ではありません。退屈で終わるのが待てないことが、居眠りしてしまうなどの非常識な行動につながることがあります。