スティーブ・ジョブズが語った、意外なほど現実的な「成功する起業家の条件」
独創性あふれる気難しいスティーブ・ジョブズにしても、ビジョンに基づいて大胆に行動するリチャード・ブランソンにしても、孤高の天才的起業家が世界を相手にする様子は、人々の心に響くものです。 私たちが考える起業家精神というものには、昔から「情熱と才能を糧に夢を追う」というイメージが浸透しています。 私はこれまで、偉大な起業家たちのことをいろいろ書いてきました(そしてささやかながら、自分なりに彼らを見習おうともしてきました)。ですから、起業家をそのように偶像化した責任は私にもあります。 ところが最近になって、スティーブ・ジョブズその人が、もっと地味な事実を指摘しているのを読み、私の起業家に対する概念が変わりました。
それはとてもシンプルな考えだった
偉大な起業家には何が求められるのか。「イノベーション」や「情熱」「ビジョン」がよく挙げられるでしょう。 しかしジョブズが、かつて起業家について語った際、彼は異なる見方を示しました。 成功した起業家と、成功していない起業家の違いのほぼ半分は、純粋な忍耐力であると私は確信している。 私は頭をガツンと殴られたような気がしました。 この言葉は、私たちの多くが起業について抱いている、ロマンティックな概念に疑問を投げかけるものです。 つまり、起業とは「ただひたすら(少なくともそのほとんどは、)持って生まれた才能を活用し、情熱のままに夢を追いかけるものだ」という考えに異を唱えるものです。 代わりにジョブズは、情熱やビジョンと一緒に語られることはほとんどない、別の美徳を挙げています。 何もないところからビジネスを立ち上げるのは、容易ではありません。簡単だったら、誰もが起業するでしょう。たしかに「純粋な忍耐力」という指摘は、私には真実のように思えます。 実際、「気ままにやったら成功した、という起業家の名前を1人でも挙げよ」と言われたら困ってしまいます。 成功した起業家はみな、預金残高がどんどん減り、友人から不信の目で見られる中で、荒れ狂う海に立ち向かってきたのです。これらすべてに対処するには、忍耐力は欠かせません。