新キャストの東啓介と立石俊樹が『VIOLET』への想いを語る
自分に置き換えることで、見つめ直すきっかけになれば
――演出は、第31回読売演劇大賞最優秀演出家賞にも輝いた藤田俊太郎さん。東さんとは『ラグタイム』以来、立石さんとは初の顔合わせとなります。 東 すごく優しくて、なんでも挑戦出来るような場所を作ってくださる方です。それによってこちらも自信が持てますし、進むべき道をしっかり照らしてくれる。作品によっては間違いを恐れてしまうような現場もありますが、藤田さんとはタッグで作っている感覚があって。僕にとってはとてもありがたい演出家さんですね。 立石 僕はまだお会いしたのも2回くらいなんですが、作品に関する参考資料をくださったり、それを熱心に教えてくださったり、皆さんからお話しを聞いていた通り、とても素敵な方だと思います。あと僕も藤田さんも同じ秋田県出身ということで、そこがまた嬉しく、共にいい作品を作り上げられるよう尽力したいと思っています。 ――この作品を通して、お客様にどんなものをお届け出来たらと思いますか? 東 この『VIOLET』は異国の話ではありますが、日本でもわかり得るところがたくさんあると思います。ヴァイオレットの顔の傷やフリックの肌の色など、自分たちに置き換えられるような題材がたくさんあって。人に対する見方がすごく単調になっている今だからこそ、なにかを見つめ直したり、自分はこうしたいと動き出すきっかけになれたら、これほど嬉しいことはありません。 立石 ヴァイオレットは25歳で初めて外の世界に飛び出すわけですが、それを遅いと感じる人もいるかもしれません。でも自分の気持ちで動いたものっていうのは、絶対に誰かの人生になにかしら影響を与えるものだと思いますし、それに早いも遅いもないんじゃないかなと。だからスタートはいつでも切れますし、この作品を観ることで前向きな気持ちになってもらえたらなと思います。 取材・文:野上瑠美子 <公演情報> ミュージカル『VIOLET』 東京公演:2024年4月7日(日)~21日(日) 東京芸術劇場プレイハウス 大阪公演:2024年4月27日(土)~29日(月・祝) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ