芸能発表で一時開放 高岡万葉まつり2日目 被災の市民体育館 アリーナの半分、安全確認
高岡市の高岡古城公園で開催されている第44回高岡万葉まつり(高岡市、富山新聞社などでつくる実行委員会主催)は2日目の5日、特設水上舞台と東洋通信スポーツセンター(市民体育館)で芸能発表が行われた。センターは能登半島地震の影響で臨時休館が続いており、安全が確認されたアリーナの約半分を一時的に開放。市民が日頃の稽古の成果を発揮した。 アリーナの半分を紅白幕で区切り、舞台が設置された。詩吟・剣詩舞や民謡、箏曲が披露され、来場者が見入った。宮城社八雲会は万葉風の衣装で「万葉」や日本のわらべ唄を演奏した。高岡市民レクリエーション協会は観客も交えて「越中おわら」の輪踊りを行った。 協会の筏井豊華翔理事長は「立派な舞台を作っていただいて良かった」と話した。出演した渋川流剣詩舞道天蕙会の引谷夕月準師範は「舞台があってうれしい」と笑顔を見せ、同会の増田天蕙会長は「万葉まつりの会場で発表できるのが良い」と話した。 ●橘官房副長官が朗唱 水上舞台では万葉集の全4516首を3日間にわたって歌い継ぐ「第35回万葉集全20巻朗唱の会」が行われ、参加者が色鮮やかな万葉衣装をまとい声を響かせた。橘慶一郎官房副長官が2首を朗唱し、「1300年前の歌がこうして歌い継がれ、そこに自分が参加できることがとてもうれしい。今年も来られて良かった」と話した。 高岡市万葉歴史館「万葉を愛する会」は高岡商工ビルで万葉故地交流会を拓き、全国の万葉ゆかりの地の住民が交流した。まつりは6日まで。 ●家持の遺徳しのぶ 大伴神社で顕彰祭 高岡市伏木一宮の氣多神社境内にある大伴神社で5日、大伴家持卿顕彰祭が営まれ、参列者31人が遺徳をしのんだ。 大江秀和宮司が祝詞を奏上し、大伴家持卿顕彰会の会長を務める橘慶一郎官房副長官や角田悠紀市長ら参列者が順に玉串をささげた。橘会長が「新しい仕事を頑張りますと大伴卿にお参りすることができた」とあいさつし、家持が越中を去るときにつくった歌「石瀬野に秋萩しのぎ馬並めて初鷹狩だにせずや別れむ」を朗唱した。角田市長と本田利麻市議会議長が祝辞を述べた。顕彰祭は高岡万葉まつりの一環として毎年行われている。