家入一真氏「都知事選は『はじまり』」 インターネット新党を設立
自民、公明両党の支援を受けた舛添要一氏が、200万票以上の得票で勝利した今回の東京都知事選。一方で、従来とはまったく違う手法で選挙を戦ったのが、起業家の家入一真氏だ。ツイキャスで「第一声」を行い、クラウドファンディングで供託金を集め、やって欲しい政策をインターネットで募集。インターネットを活用して若者と政治を結びつけようとする思いも垣間見える。落選はしたものの、インターネット新党を設立した家入氏が次に見据えるものは、何なのか。
■「1000RTで都知事選出馬」
すべての「はじまり」は12月19日のつぶやきだった。 「さて都知事選出るか」 「1000RTで都知事選出馬」
この日、家入一真氏が自身のTwitterにそう書き込むと、ホリエモンこと堀江貴文氏、ロンブー淳氏ら著名人が続々RT。わずか30分で1000RTを超えた(2月10日18:00現在2655件)。その後しばらくは都知事選立候補に必要な300万円の「供託金も無いし!」などとして出馬の意思を明確にしなかったため、一部では「ネタなのか」と揶揄する声もみられた。 しかし、東京都選挙管理委員会で立候補届出書類の事前審査が行なわれている1月16日になると「#家入一真は残り24時間で立候補出来るのか」というハッシュタグを立ち上げ、都知事選出馬に向けたつぶやきを開始。1月22日には堀江氏とともに都庁記者クラブで出馬表明会見を行なった。立候補までの動きをTwitterやツイキャスで可視化したのはこれまでにない試みだ。 候補者が立候補後に行う「第一声」も、一味違った。各候補が駅頭などでマイクを持って従来型の選挙運動を行う中、家入氏は都内のカフェに若者を集め、ツイキャス(簡易インターネット中継)を行いながら、ネットの向こうのユーザーとも対話する形で行なった。 同日の朝日新聞には、マイクを握って第一声を発する他候補と並んで、iPhoneを手に持つ家入氏の写真が掲載された。ネットを政策や街頭演説スケジュールの告知に使うのではなく、有権者との相互コミュニケーションに使おうという家入氏の姿勢を象徴する一枚だ。