こだわりの選書で地域に根ざす「独立系書店」や個性的な出版社が存在感…「本との出会い」演出
イベントは10日まで。
逆行し増える「独立系」 日本出版インフラセンター(東京)によると、全国の書店の総店舗数は2013年度の1万5602店から、23年度は1万918店と10年間で3割程度減っている。経済産業省は3月に書店振興プロジェクトチームを発足させ、書店を地域文化の拠点と位置づけて活性化を図っている。
一方、「本屋ライター」として独立系書店に関する情報を発信している和気正幸さん(39)によると、10年代後半、書店開業の方法論やノウハウ、本の仕入れなどに関する本が相次いで出版されたこともあり、独立系書店が増え始めた。
和気さんは独自に全国の独立系書店の開店数を調べており、15年は6店だったのが、20年には35店、21年に78店、23年には105店と増えている。「SNSの普及で店や本の紹介がしやすくなったほか、個人で本屋を始めて情報発信する人たちが出てきたことで、経験のない人でも始めやすさがあったのではないか」と分析。「読書会の開催やカフェの併設といった独立系書店の個性によって客の読書のあり方が多様化し、それが店に足を運んでもらえるような相乗効果を生み出している」と話す。