「サイゼが香川で苦戦中」という噂は本当か、全店舗めぐって検証してみた結果。ミラノ風ドリアをもってしても高すぎた「うどんの壁」
丸亀町グリーンは、丸亀町商店街という中にある商業施設で、商店街の再開発としては、日本でもっとも成功したといわれている、とてもいい感じの場所である。 商店街、というよりもショッピングモールと言ったほうがいいぐらい、さまざまな施設が入っていて、チェーン店も適度に入居する。その中に、サイゼリヤができたのだ。 中に入ってみる。やはり、混み具合は8割ぐらい、といったところ。空席がポツポツとある。日曜の18時なんて、家族連れも来るし、友達同士でも来るだろうし、かなりのゴールデンタイムのはず。
ちなみに、商店街自体は、かなりのにぎわいだ。 結論を言うと、他の2店舗(イオンモール高松店、イオンモール綾川店)についても、やはり同じぐらいの混み具合だった。並ぶかなあ、と覚悟してたのだが、すぐに入れた。都内のサイゼでは、なかなか考えにくい状況である。 ■香川に立ちはだかる「うどんの壁」 さて、ではなぜ、このようなことが起こっているのか。ランチ・ディナーそれぞれの時間に分けて考えてみよう。 まずはランチ。先ほども紹介した通り、サイゼでは500円でランチを食べることができる。しかも、セットのサラダとスープ付き。うれしい。
しかし、そこに壁が立ちはだかる。うどんだ。私は、この香川県におけるランチ業界の問題を「うどんの壁」問題と名付けている。 「うどんの壁」は高い。香川県には2023年の段階で、479軒のうどん屋があり、県民1万人当たり、5.08軒のうどん屋がある。これは、国内ダントツ1位だ。 ちなみに、香川のほとんどのうどん屋は14時前後に店を閉める場合が多く、基本的にモーニング・ランチ向けの食事である。 問題は、うどん1回当たりの支出額である。そんな、うどん1回の支出額なんて統計があるわけが……と思ったら存在した。地元の銀行「百十四銀行」のシンクタンク「百十四経済研究所」が、2021年から年次で香川県民のうどんの消費状況についてアンケートを取っているのだ。