横浜ゴムのタイヤエンジニアが語る「SUPER FORMULA(全日本スーパーフォーミュラ選手権) 第 3 戦」
新しいウエットタイヤを投入
6月22-23日、スポーツランド SUGO で開催される「SUPER FORMULA(全日本スーパーフォーミュラ選手権) 第 3 戦」のタイヤについてエンジニアが語る大会直前情報
スポーツランド SUGO は、シリーズを戦うサーキットの中でも一番コースの全長が短く、また 1 コーナーから 2、3 コーナーにかけての下り坂や最終コーナーの上り坂に示されるようにアップダウンが大きいレイアウトを特徴としているサーキットです。ドライバーからも SUGO は特に最終コーナーが体力的にハードだと聞いており、短いコース距離で周回数が多くなるこのレースは非常にタフな戦いになるだろうと考えています。
今週末は天気が下り坂で、日曜日は雨が降るという予報が出ています。ウェットタイヤは、昨年の 6 月に富士で行われた合同テストから新しいものに変わっていますが、シーズン後半は天候に恵まれレース本番では一度も使用していません。2024 年 2 月の鈴鹿合同テストで走行したドライバーはいますが、もし今回ウェットタイヤを投入するようなコンディションになれば、これがレースでの初使用ということになります。
新しいウェットタイヤはドライタイヤ同様、性能を維持したままサステナブル比率を上げるということをテーマに開発をしてきました。開発テストではタイムもその落ち方も、それまでのタイヤと大きな違いはないという評価を得られています。この週末、どのタイミングで雨が降ってくるかにもよりますが、場合によっては決勝レースでいきなりウェットタイヤを投入する可能性も出てくると考えています。
ここまでの2戦、優勝だけでなくトップ3の顔ぶれが違い、ポイントランキングは上位が拮抗しています。ここから一歩抜け出るドライバーが現れるのか、ウェットタイヤの投入で新たな優勝ドライバーが生まれるのか、興味深い 1 戦になると考えています。 坂入将太 (横浜ゴム タイヤ製品開発本部 MST 開発部 技術開発2グループ)
アウトビルトジャパン