秋田県湯沢市民しか知らない食べ方「稲庭うどん麺がゆ」が全国発売へ
讃岐うどんとともに、日本三大うどんに並び称される秋田県湯沢市の「稲庭うどん」。その「稲庭うどん」に、地元民だけが知る食べ方がある。稲庭うどんの製造過程で出来る細かい切れ端を茹で、おかゆのようにして食べる「麺がゆ」だ。地元民しか知らなかった「麺がゆ」が、9月から全国でフリーズドライとして発売されることになった。 稲庭うどんを使った「麺がゆ」をフリーズドライにしたのはMCフードスペシャリティーズ(東京都千代田区)。同社が展開するフリーズドライスープ「一杯の贅沢」シリーズの新商品として、9月7日から全国で発売を始めた。お湯を注ぐだけで、稲庭うどんの「麺がゆ」が楽しめる。 MCフードスペシャリティーズは、「稲庭うどん小川」(秋田県湯沢市)の麺を今回のフリーズドライに使用した。MCフードスペシャリティーズは、最近「にゅうめん」のフリーズドライ商品がはやっているため、全国の具材を探していたところ、稲庭うどん小川の「麺がゆ」に出会ったという。
食欲不振や二日酔いにぴったりの「麺がゆ」
秋田県湯沢市稲庭町にある稲庭うどん小川は、小麦と水と塩だけを用いる昔ながらの製法で、4日間熟成させて作る麺が特長。麺を熟成させ、全工程を手作業で作ることにより、つるつるとした稲庭うどん特有のコシが生まれるという。 「麺がゆ」は、稲庭地方に昔から伝わる食べ方で、稲庭うどんが全国的に有名になった後も、地元でしか知られていなかった。稲庭うどん小川の小川博和社長は、麺がゆについて「コメで作ったおかゆよりもサラサラとしていて、消化に良いのが特長」だという。稲庭地方では、昔から夏場の食欲が無い時期や、食べ過ぎ、二日酔いでご飯を食べたくない時に、麺がゆを食べてきたという。赤ちゃんの離乳食にも用いられてきたという麺がゆは、スープ感覚で食べられ、忙しい女性の朝食にも向いているのではないかと小川社長は語る。 秋田佐竹藩主への献上品に起源を持つ稲庭うどんは、日本全国のみならず、いまや「佐藤養助」台湾店が人気なように、海外でも人気となっている。稲庭うどんの新しい食べ方「麺がゆ」を試してみても、また発見があるかもしれない。フリーズドライ「一杯の贅沢稲庭うどん麺がゆ」は、「しょうゆ仕立て」と「秋田味噌仕立て」があり、1食税抜き210円。 (中野宏一/THE EAST TIMES)