ロバート・キャンベルさん、世耕弘成氏が近大理事長を務めていることに疑問「大学って何かをみんなに考えてほしい」
日本文学研究者のロバート・キャンベル氏が9日放送のTOKYO MX「バラいろダンディ」(月~金・後9時)に生出演。自民党派閥の裏金事件で党から離党勧告を受けて離党した世耕弘成・前党参院幹事長(参院和歌山選挙区)が6日、理事長を務める近畿大の入学式に出席。新入生への祝辞で登壇し、「変化の激しい社会で自分の立ち位置をしっかりと把握してもらい、立派な社会人として近畿大を巣立っていただきたい」と述べ、理事長辞任を求める声が上がるなど物議を醸していることについて、私見を述べた。 【写真】「自分の立ち位置…」近大入学式に出席した世耕氏 この日、この件について意見を求められたキャンベル氏は「僕は辞任を求めることより先に参院の幹事長を務めている人が大きな大学の理事長を兼ねていることを不勉強ながら気づかなかった、知らなかったんですね。1期じゃないですね。継続的にそれを兼ねてることに、かなり驚きを覚えたんですね」と、まずコメント。 その上で「つまり国家権力の中枢にいる人が、自由な真理を求めるために、言論の自由も含めたものを守らないといけない大学のトップにいるということが…。そもそもどちらかにしないとと思います。それを前提にして、巨大な大学ということで税金を投入しているし、交付金も使っている。その大学を経営する最高責任が自分の事務所の会計ということでは管理できない、全部、自分の秘書のせいだと言っていて。報告がなかったから、法的責任はないというのは法的には通るかも知れないけど経営責任という運営をする責任は問われるべきだと思う」と指摘。 「当然、大学側の品位を落とすこととか、適切な能力を持った人ではないとして辞任を求める、あるいはそのことが議論される、それは大学の中で決めることだと思うんですけど、政治家が大学の理事長って。大学って何かをみんなに考えてほしいんですよ」と訴えると、「政治と学問が真っ向から対抗する時代っていうのが日本にも第二次大戦の頃あった。日本の私立大学の4割が同族経営。近大も世耕さんのおじいさんが設立した。そのこと自体を一つのきっかけとして考えていきたいんですよ。片手間でできる仕事じゃないんですよ、理事長って」と話していた。
報知新聞社