これぞ東映!「十一人の賊軍」は令和版「仁義なき戦い」コンプライアンスはオール無視
【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。5日に投開票が行われたアメリカ大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏が勝利しましたね。過激な言動で民主党支持者からは強烈な批判を集めていたものの、ふたを開けてみれば圧勝でした。現代社会では少々強引すぎるかのような政治家ではありますが、だからこそ期待されている部分も多いということでしょう。 さて、過激な言動でわが道を突き進むトランプ氏の再選に関連し、“わが道”を貫く新作映画「十一人の賊軍」(公開中)を紹介します。 映画は戊辰戦争の動乱のなかで、新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟軍に加わっていた新発田藩が舞台。罪人11人が新発田藩の命運を握る任務につき、壮絶な戦いを繰り広げるというストーリーです。 僕、今作を見たときに「これぞ東映だ!」と震えましたね。東映というのは「仁義なき戦い」のような、とにかくドンパチする、血なまぐさい、血で血を洗うような映画を得意としてきた会社なんですよ。昨今、映画会社による作風の違い、カラー、イズムみたいなものが分かりにくくなっているなかで、久しぶりに東映らしさ全開のものを見ることができたと興奮しました。 もうコンプライアンスはオール無視。今の時代は完全にアウトなんじゃないかという表現が開幕からバンバン飛び出すんですよ。そこで一気に引き込まれましたね。なにも、汚い言葉を使うから面白いということではなくてですね、主人公の山田孝之さんをはじめとして、メインのキャストはみんな罪人なんですよ。そこできちんと罪人らしい言葉を脚本で使うことで、ぐっと物語にリアリティーと説得力が増すんですよね。 トランプ氏は今年も「移民がペットを食べている」と発言して問題になりました。過激な発言を肯定するわけでは決してありませんが、それほどアメリカの移民問題は深刻で、この発言に「よく言ってくれた」と思うような支援者もいたということですよね。過激な物言いは、もはやトランプ節とも言え、大きな魅力・唯一無二のカリスマ性につながっているのかもしれません。今作は、さまざまなものに細かい配慮が必要なこの時代に、過激さで大きなインパクトを残す、ダイナマイトのような存在の映画です。せひご覧ください。
有村昆