ファーフェッチ、経営破綻まで秒読みか 事業売却が成立しなければ管財人の管理下に
高級ECのファーフェッチ(FARFETCH)が、経営破綻の瀬戸際にあることが明らかになった。現時点で少なくとも2社の買い手候補がいるものの、近日中に取引が成立しない場合に備え、本拠地の英国ですでに管財人の選定を進めているという。なお、買い手候補の一人は大手ファッションECサイト「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」の共同設立者である起業家兼投資家のカルメン・バスケッツ(Carmen Busquets)で、もう1社は個人投資家ではなく企業と見られている。 【画像】ファーフェッチ、経営破綻まで秒読みか 事業売却が成立しなければ管財人の管理下に
バスケッツ「ネッタポルテ」共同設立者は、ファーフェッチやモーダ・オペランディ(MODA OPERANDI)のほか、ファッションECの検索プラットフォーム、リスト(LYST)など、ラグジュアリーファッション分野におけるEC関連企業の可能性に早くから着目し、投資してきた実績を持つ。今回は、ファーフェッチ救済のため5億~10億ドル(約725億~1450億円)を調達する予定であることや、同社を5年で成長軌道に戻す再建計画などを提示したという。同氏は、「私はファッションとテクノロジーを融合したマーケットプレイスの可能性を信じており、ファーフェッチは現在でも業界のリーディングカンパニーだと確信している。同社は複数の企業取引を抱えているため、ただでさえ経済環境が複雑化する中でさらに難しい舵取りを強いられているが、その戦略的な資産価値の高さは損なわれておらず、戦略的な提携や統合の機会はまだ数多くあるだろう」と語った。
ファーフェッチの最近の動向
ファーフェッチの最近の動向は、さまざまな波紋を呼んでいた。11月28日には、同社の非公開化を創業者のジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)会長兼最高経営責任者(CEO)が検討していると英テレグラフ(The Telegraph)紙が報道。同日、ファーフェッチは29日に予定していた2023年7~9月期(第3四半期)決算の発表を取りやめ、これまでの業績見込み(ガイダンス)も撤回するとの声明を発表した。