【大宮競輪G3】地元スター平原康多の苦悩、走り続ける北井佑季…グランプリで“悪魔的な走り”見せた脇本雄太にどう抗うか
◆netkeirinの連載コラム『前田睦生の感情移入』
苦悩と苦闘
大宮競輪の大阪・関西万博協賛「東日本発祥76周年 倉茂記念杯(GIII)」が1月16~19日に開催される。地元の英雄・平原康多(42歳・埼玉=87期)は同記念10回目の優勝を目指す。新年初戦の立川記念(鳳凰賞典レース)はグランプリ後に腰痛を発症し、懸命の治療の末に戦い抜いた。 苦しい4日間だったが、戦い抜いた。年末年始のない人生。平原は今年、大宮で伝説を作る。 最大の敵は脇本雄太(35歳・福井=94期)になる。脇本も体調を崩したようだが、大宮記念までは時間があり、ある程度の状態には戻せているだろう。グランプリで見せた悪魔的な走り。他を完封するすさまじさは、ワッキーそのものだった。 その大きな壁に跳ね返された北井佑季(34歳・神奈川=119期)も立川記念準決で失格と波に乗れない。欠場して、時間を取って…も考えられるところだが、この男は走る。
走ることでしか取り戻せない
立川記念の二次予選で1着を取った北井は、勝利者インタビューでファンの前に向かった。グランプリで力を出し切れなかった北井に、初日から厳しい言葉も飛んでいた。そのインタビューで北井は、唇をかみしめ「厳しい言葉もいただきますが、また頑張っていきます」と押し殺すような声で、前を向いていた。 デビューから、走り続けることで今の場所に来た。師匠の高木隆弘(55歳・神奈川=64期)は「赤いパンツで責任を背負う一年になるから、体調を戻してからでも」と話したそうだが、やはり走る。 特に脇本がいる今回だ。どう抵抗できるか、がこの一年にかかってくる。どう猛に牙をむく姿を応援してほしい。
寺崎浩平と武藤龍生は、取れるのか
今年、初のGIタイトルをつかむの? の話になると、寺崎浩平(31歳・福井=117期)と武藤龍生(33歳・埼玉=98期)の名前も挙がるところだ。寺崎の昨年の戦いぶりは、今年GIを勝ってこそ成就する。取らないといけない、ところにいると思う。 武藤にかかるのは、ちょっと大きなものになる。追い込み不遇の時代にあって…がある。現行ルールでは自力選手の活躍が主で、追い込み選手の存在感が薄れざるを得ない。だがそこで、父・武藤嘉伸(引退=59期)さんがいて、そのマーク魂に憧れ、数多くの歴戦のマーク屋たちを見つめてきた。
父・嘉伸の同期だった小橋正義(引退=59期)さんの話もよく聞いたという。武藤が結果を残せるのかは、競輪の充実にも関わってくる。大きく、期待している。 嘉永泰斗(26歳・熊本=113期)にしても、もう一度勢いを取り戻したい。ようやく兆しは見えてきている。伊藤颯馬(25歳・沖縄=115期)らと、九州も今年はやるぞ、という意志を見せつけてほしい。(文:東京スポーツ・前田睦生記者)
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