【MotoGP】バニャイヤ、スプリントで久々の勝利「ホームのファンが、それをより特別なモノにしてくれた」
ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは、MotoGP第7戦イタリアGPのスプリントレースを優勝。母国での特別な勝利だと語った。 【リザルト】MotoGPイタリアGPスプリントレース結果 2番グリッドからスタートしたバニャイヤは、好スタートで首位に立つと、そのままレースをコントロール。マルク・マルケス(グレシーニ)の追い上げをものともせず、トップチェッカーを受けた。 ポイントリーダーのホルヘ・マルティン(プラマック)が3番手走行中に転倒リタイアに終わったため、バニャイヤはマルティンとの差を27ポイントまで縮めた。 今季ここまで、バニャイヤはスプリントレースでは4位が最高リザルトであり、この改善は本人も課題のひとつに挙げていた。 実際、バニャイヤがスプリントレースを制したのは、2023年8月のオーストリアGP以来のこと。実に約10ヵ月ぶりの勝利だったのだ。 それをチームにとっても自身にとっても母国戦となるイタリア・ムジェロで達成したことで、バニャイヤは喜びを隠せなかった。 「ハッピーだよ。バルセロナ(前戦カタルニアGP)のスプリントではもう少しで勝てるところだった(トップ走行中に転倒)。でもここで成し遂げたんだ」 チェッカーフラッグが近づくにつれ、カタルニアGPのクラッシュのことが頭をよぎったかと尋ねられると、バニャイヤは「すごく怖かったよ」と答えた。 「ターン10は、フロントタイヤがより重要なコーナーだったんだけど、すごく遅かったんだ。 そしてターン12も。幸運にも最後まで走りきることができた」 「最後の2周は、一定のペースを保つのが難しかった。多かれ少なかれ、みんな同じような状況だったと思う」 「素晴らしいよ。ホームでの勝利が、それをより特別なモノにしてくれている。僕たちは本当にうまくやったんだ」 レース中、バニャイヤは最大で1.4秒までリードを拡大した。しかしガクンとペースが落ち、2番手のマルケスに1周で0.5秒も差を詰められるシーンがあった。この周に起きたことについて、バニャイヤは次のように説明した。 「マルティンが転倒したのをスクリーンで見て、『よし、プッシュを少し止めても大丈夫だ』と思ったんだ」 「でもストレートでマルケスが1秒差で追ってきているのが見えたから、追いつかれないようにもう一度プッシュしたんだ」 彼は、大歓声を送ってくれたファンについても言及。イタリアのファンがマルケスに激しいブーイングを送っていたことについては、あまり好ましく思っていないと明かした。サーキットのスクリーンにバレンティーノ・ロッシとマルケスの過去の因縁が映し出されるたびに、ファンは口笛を吹き、ブーイングを飛ばしていたのだ。 一方で、表彰台でファンと共にイタリア国歌を歌ったバニャイヤは、ファンのサポートがこの勝利を特別なモノにしていると語った。 「昨年も彼らは一緒に(国歌を)歌ってくれたよ。特別なことなんだ。ここのファンは、イタリア人ライダーが大好きなんだ。信じられないくらいだよ」 「スターティンググリッドですでに、彼らは僕の名前を叫んでくれていた。とても感慨深いと同時に、涙が出てきちゃうからあまり考えないようにしているんだけどね」 「普段、彼らが他国籍の選手にしていることはあまり好きではないけど、自分ではどうしようもないことだ。バルセロナでも僕に同じようなことがあったしね」 「自分のために叫んでくれる人たちを見るのは信じられないくらい素晴らしいよ。勝利がさらに特別なものになる」 バニャイヤはフリー走行で他車の走行を妨害したとして、3グリッド降格ペナルティを受けているため、日曜日の決勝レースは5番手からのスタートとなる。そのため、彼は決勝がより難しいレースになるだろうと覚悟している。 「スタートがとてもうまくいったのが、今回とても役に立った。今日はフロントタイヤの温度が問題になりそうだったし、その時点で大きなリードを得られたんだ」 「明日は2列目からのスタートだ。今日と同じようなスタートを決めて、最初のコーナーでトップを確保しなければならないけど、それは簡単なことではない。マルティンがスタートで同じミスをするとは思えないしね」 「うまくやることが重要だ。僕らには戦えるペースがあるけれど、おそらくもう少し複雑になるだろう」
Germán Garcia Casanova