テレ東発ヤバすぎるグルメ番組、テレビ業界人が本当に作りたいのはこれだ
業界の常識ではなく“違和感”を大切にする姿勢
近年では「家、ついて行ってイイですか?」や「池の水ぜんぶ抜く」、「液体グルメバラエティーたれ」など、アイデア勝負で世間をあっと言わせる番組を連発しているテレ東だが、その成功の裏には他局では絶対に通らない企画を通すという、その風通しの良さもあるとか。 「ほかの民放キー局は、表面上は他局にないジャンル、演出、切り口を持つ企画を募集しますが、実際には斬新な企画はまず通らない。まったく前例のない半ば冒険的な企画に、最終的にGOサインを出せる責任者がいないからです。でも、テレ東の場合は、会議で無難な反対意見こそ出るものの、『取りあえず一回やらせてみよう』となる。その背景には業界の常識に捉われず、“違和感”を大切にする姿勢があると思います。だからコネなどなく、それでいて野心を持つ優秀なスタッフが集まる小さな制作会社は、テレ東に面白い企画をどんどん提出していますね」(前出の番組制作会社フリーディレクター) 今回は2週の放送で終った「ハイパーハードボイルドグルメリポート」だが、続編を望む声は多い。ほかの民放テレビ局に比べて予算もなく、視聴率のうえでも長年、他局に引き離されていたテレビ東京だが、今その振り切れた“ヤバさ”が、見たこともない刺激的な企画を生み、支持されているのだろう。 他方、相変わらず同じような内容で、同じようなタレントばかりが並ぶ無難な番組を垂れ流し続ける他局は、テレビの不人気をネットや規制のせいにするのではなく、自分たちの存在が“ヤバい”状況にあることを、今一度認識する必要があるのかもしれない。 (文責/JAPAN芸能カルチャー研究所)