【山口組が抱える“空き家問題”】機関紙で明かされた「総本部」の栄枯盛衰 テニスコートにゴルフネット、食堂、警察犬もいたが、現在は5年の使用制限で「復元させないといけない」状況
害虫や野生動物が住み着いている
しかし、2015年に発生した山口組分裂抗争により様相が変わる。2019年、六代目山口組・高山清司若頭の出所を控え抗争事件が多発したことを受け、同年11月、兵庫県公安委員会は「総本部」に使用制限の本命令(期限は2020年2月までだが、無制限で延長が可能)を下した。また、翌年1月、再び県公安委員会が六代目山口組と抗争相手の神戸山口組を「特定抗争指定暴力団」に指定したことで、警戒区域にあたる総本部のあるエリアに5人以上の組員が集まるだけで逮捕されるようになった。 以降、総本部は無人のまま時が過ぎる。今年3月に敷地内の植物伐採が認められ、約5年ぶりに敷地内に立ち入りができるようになったことが報じられたばかり。『山口組新報』は〈詳しくは書けないのですが早期に総本部使用を復活させて皆が力を合わせて復元させないといけない状況ではあります〉としている。「総本部」の実情について前出・実話誌記者が明かす。 「5年間、空き家状態だったわけですからね。埃やゴミなどが積もっていたのは当然のこと、敷地内には害虫や野生動物が住み着いていた痕跡が多数あったと聞いています。これは『総本部』に限った話ではなく、日本中で増加する空き家で共通の問題ですが……。 使用制限を解除するには問題が山積みで、分裂抗争の終結が絶対条件といわれている。しかし、抗争終結に至る決定打を欠いている状況が長く続いていて、見通しは不透明だ。傘下組織も同様の問題を抱えていて、施設が立ち入り禁止命令や立ち退き請求を受け、民間企業に売却したところもある。山口組がどういう判断を下すのか注目が集まっている」 主人不在の豪邸は、今日も家主の帰りを待つ──。
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