CEOに聞く 3度の起業でたどり着いたプラットフォームビジネスーーピクスタ株式会社
「インターネットでフラットな世界をつくる」をコンセプトに写真やイラスト、動画などの素材を提供するサービス「PIXTA」を立ち上げた古俣大介社長。大学卒業後、ECサービスなどを手掛けていたものの、納得いくビジネスにはたどり着かなかったそうです。その後、あるネットの掲示板の写真をみて、このサービスを思いつき、国内最大級の素材プラットフォームサービスへと成長させました。そのサービスの特徴、今後の展望について話を聞きました。
――改めまして、PIXTAとは、どのようなサービスを提供していますか? PIXTAには現在、約12万人のクリエイターと約13万人の利用者がいるのですが、才能ある人と活かす人をフラットに結びつけるということが、サービスのベースになっています。カメラマンなどのクリエイターに素材を投稿してもらい、その素材をユーザーに販売しています。その仲介役としてPIXTAがあります。 ――どれくらいの素材が用意されていますか? 現状として、1日1万点が投稿されており、素材の点数は600万点に及んでいます。素材は、低価格・高品質がウリで、Web用の画像であれば525円から、動画は2100円から販売しています。平均単価は4,000円程度です。 ――サービスを始めたきっかけは何ですか? 大学を卒業後、ECサービスの会社などを立ち上げていたのですが、人の作った製品を売るだけのサービスに対して、悶々としていた時期がありました。その頃、アマチュアカメラマンの作品を投稿する掲示板を目にしたことがあるのですが、クオリティの高さに衝撃と感銘を受けました。同時に、この掲示板以外に彼らカメラマンが作品を発表する機会が無いなと感じました。彼らの活躍の場を作りたいと思ったし、その写真を利用したい、というニーズもあるのかな、と考えました。 これがPIXTAのサービスのきっかけです。もともと、この手のサービスはアマナイメージズさんが、国内で最も大きいのですが、単価が高く、購入者にとって手を出しやすいものではなかったのではと思います。アマチュアカメラマンもクオリティの高い作品を生み出す力があり、インターネットで誰にでもにチャンスがある世界観をつくることができれば、投稿者・購入者双方のニーズを満たせると考え、クラウドソーシングでチャンスがあると考えました。 ――サービスの成長は順調だったのですか インターネットの事業としては、比較的早めの2005年に設立しました。立ち上げ時に、20人から30人の知り合いに頼んで素材を提供してもらったのですが、サイトリリースから2日後には約100人の人から素材が集まったんです。これを目の当たりにして、「やっぱり必要とされている!」という確信と同時に、安堵感を覚えました。しかし、甘くはなかったですね。とにかく、そこから素材を集めるのが大変でした。今でこそ、600万点ありますが、これがなかなか増えなかったです。