新年を祝う「ホーランエンヤ」、大漁旗が彩る宝来船から岸に紅白餅…見物客「家族で食べて良い年に」
新年を祝う伝統行事「ホーランエンヤ」(大分県選択無形民俗文化財)が4日、大分県豊後高田市中心部を流れる桂川で開かれた。大漁旗などで華やかに飾られた宝来船を一目見ようと、川の両岸に多くの見物客が詰めかけた。 【写真】筥崎宮で「玉せせり」、締め込み姿で幸運の玉を奪い合う
江戸時代、一帯は島原藩(長崎県)の飛び地で、年貢米を船で献上していたため、航海の安全と豊漁を祈願して始まったとされる。
たくさんの旗で装飾された宝来船には「漕ぎ手」を担う締め込み姿の若者らが乗り込み、『ホーランエンヤ、エンヤサノサッサ』という掛け声を張り上げながら航行。船上から両岸に向かって紅白餅をまいた。途中、漕ぎ手が川に飛び込み、岸から出された祝儀を泳いで受け取りに行くと、大きな歓声や拍手が起きた。
家族らと訪れた福岡市の中学3年の生徒(14)は「旗が色とりどりできれいだった。餅まきで餅をもらえたので家族で食べて良い年にしたい」と笑顔だった。
漕ぎ手の頭を初めて務めた豊後高田市の会社員後藤寛之さん(44)は「日本全国で災害がなく、皆さんが健康に暮らせる1年であってほしい」と語った。