「河合のほうき」制作 伝統の技、体験講座 茨城・常陸太田
茨城県常陸太田市の伝統工芸品「河合のほうき」を作るワークショップが11月29日、同市下河合町の道の駅ひたちおおた体験交流室で開かれた。制作者の前沢秀子さん(62)が講師を務め、市内外から10人が参加し、材料のホウキモロコシを束ね、編むなどの基礎作業を学びながらミニほうき作りに挑戦した。 作業は約20センチのホウキモロコシの草の束を三つに分けて糸で束ね、同じ長さの茎を11~15本を使って草に巻き、足元から伸ばした糸で編み込む。フックにかけための革のひもを付け、木づちでたたいて形を整え、飾り糸やリボンを付けて完成。参加者は途中で糸が切れたり、茎が折れたりと苦戦しながらもオリジナルのミニほうきを仕上げていた。 同県那珂市の冨張澪子さん(84)は「最初の編み込んで束ねるところが難しかったが、縛る糸やつるすひも、リボンも自分の好みの色が使えてよかった。縫い物をするので糸くずを払うのに使うつもり」と笑顔を見せていた。 前沢さんは「ほうきを多くの人に知ってもらいたいとワークショップを開いた。皆さん一生懸命に取り組んでもらえた。ほうきを使ってきれいにして、そこに生まれる空間が気持ちが良いことを感じてもらえれば」と話した。 同ほうきは河合地区で、地元で栽培したホウキモロコシを使い、伝統的な技法で作り続けられ、100年以上の歴史を持つ。ほうきの種子から製法まで今に継承されている。
茨城新聞社