基地の街・横須賀、原子力艦事故に備え防災訓練 避難の流れや探知機の使い方など確認
米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)配備の原子力空母など原子力艦事故を想定した防災訓練が29日、同市長浦町で行われ、東長浦自治会など4町内会や市立長浦小学校の児童ら約230人が参加した。2008年から対象地域で巡回で実施され、今年で15回目となる。 【動画】放射性物質を測定する探知機の使い方を確認した防災訓練の様子 訓練は、原子力艦に関わる災害時、放射線量の検出が毎時5マイクロシーベルトを超えた事態を想定。国の「原子力艦の原子力災害対策マニュアル」に基づき有事の際に「屋内退避」実施対象となる、原子力艦から半径1~3キロ圏内の住民向けの訓練では、避難の流れなどを確認した。 市広報車が事故と屋内退避を呼びかける中、住民ら約30人は集合場所の東長浦会館から応急避難所に見立てた長浦コミュニティセンターまで約350メートルを移動した。屋内に入る前には衣服などに付着した放射性物質を探知する「サーベイメーター」の使用方法を確認する汚染検査訓練も実施。除染方法や甲状腺の内部被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の配布などの説明も受けた。 原子力空母「ジョージ・ワシントン」が同基地に近く入港する予定。東長浦自治会の塩塚定雄会長(75)は「地理的に基地も近く住民の関心も高いと分かり、意義ある訓練になった。日頃から防災に努めたい」と振り返った。
神奈川新聞社