故・穂苅甲子男さん撮影写真が絵に変身しカレンダーに 林友が創業者思い製作 長野県松本市
建築資材卸販売業・林友(長野県松本市渚4)が、創業者の故・穂苅甲子男(かしお)さんが撮影したカラー写真を白黒のイラストにしてデザインした、来年の卓上カレンダーを製作した。カナダの雄大な自然を捉えた作品が、細密なペン画に置き換えられ、新たな物語が生まれたようだ。コーヒーハウスポプラ(松本市双葉)のアルバイト・野月巴音(のづきはのん)さん(25)=松本市井川城=が描いた。 ポプラを経営する佐野和貴さん(33)が林友の杉山良一常務(65)に、野月さんの描くイラストを見せたのがきっかけ。穂苅さんの写真を使ったカレンダーから選んで描いた6点を使用した。 穂苅さんの写真によるカレンダーは、平成11(1999)年まで計26部制作され、写真集も刊行された。写真からは「『限りある自然や資源を大切にしなくては』という主張が伝わってくる」(同社)という。穂苅さんは社業のほか、松本日中友好協会の会長、松本深志高校(松本市)の同窓会長などを務め、地域に足跡を残し、平成26(2014)年に90歳で亡くなった。 野月さんは今年3月に札幌市から松本に移住。穂苅さんの作品を「その場にいたくなる写真だと思った。写っている人が生き生きと見えた」と話す。 イラスト制作が趣味で、ポプラの店内を描いた作品もある。カレンダー用のイラストは、どうなるのか想像が付かなかったが、光や影の表現に注意しながら写真の中の場所にいるつもりで、新鮮な気持ちで描いた。 穂苅さんの死去から10年。杉山常務は「写真とは異なる、黒と白の良い感じに仕上がった」と感謝する。野月さんは「形になり達成感があった。うれしかった」と話していた。 卓上カレンダーは200部作った。わずかに残りがあり希望者に配布する。問い合わせは林友(電話0263・29・1232)へ。
市民タイムス