早大“7季ぶり六大学制覇”のウラに異色の「ピアニスト遊撃手」の存在あり…「偏差値75」全国屈指の超進学校出身・山縣秀(22歳)とは何者か?
早稲田大学・山縣(やまがた)秀(しゅう)遊撃手のプレーは、彼が2年生のリーグ戦から、何度も見てきた。山縣遊撃手は、私にとって、早稲田大学高等学院(西東京)野球部の後輩にもあたるからだ。 大学の付属高校でありながら、野球部の卒業生が大学野球部に進むことが少なく、私自身も「変り者」みたいに言われながら野球部にお世話になったが、それ以降30年以上、早大学院OBで早稲田大野球部に進んだ者はほとんどいなかったはずだ。 【写真】「ピアノ歴は10年超…ショパンも弾ける!」ベストナインにも選ばれた早大“ピアニスト遊撃手”山縣秀(22)のはにかむ笑顔…今秋ドラ1候補のライバル、明大・宗山塁の爽やかフェイスも見る それが、ここ15年ほどか……毎年、数人が入部するようになったが、早大学院OBで今の山縣秀遊撃手のように、押しも押されもせぬレギュラー選手にまで台頭したのは、はるか70年以上昔、のちにプロ野球・中日ドラゴンズで本塁打王(1959年)にも輝いた森徹大先輩(2014年逝去)までさかのぼらなければならないのではないか。それほどの快挙なのである。
ベストナインにも選出で六大学優勝の立役者に
早稲田大の優勝で幕を閉じた春の東京六大学。 その山縣秀選手が打撃ベストテン4位に君臨し、遊撃手部門でベストナインに選ばれた。このような「名誉」も、早大学院野球部OBとしては快挙である。 「フィールディングなら、どこへ出しても恥ずかしくない」 以前、小宮山悟監督もこのように評したことがある。 独特の柔軟性としなやかな連動性に富んだ、ちょっと見たことのない動きのメカニズム。 ネコみたいな身のこなしのできるヤツだなぁ。2年生の彼をリーグ戦で初めて見た時、思わずつぶやいてしまったのを覚えている。それからは、試合前のシートノックで山縣選手のフィールディングを見ることが、試合の勝ち負けよりも楽しみになった。 同じ学年に、明治大学・宗山塁遊撃手がいたことが、彼にとって、すごく良かったと思う。ご存じ、今秋のドラフトで1位重複指名が確実視されているショートストップである。 宗山遊撃手のフィールディングは、ある意味「教科書」であろう。誰が真似してもよいような真っ当な動きに終始して、我流の危なっかしさがまるでない。 とりわけ、そのスローイングだ。三遊間深い位置からの一塁送球。間一髪のタイミングになることはわかっているだろうに、決して急がない、強く投げようとし過ぎない。それでも、ピシャッと刺してみせるから、プロからの賛辞が絶えないわけだ。 なかなかその通りには守れないだろうが、誰がお手本にしても、決して害にはならない王道のフィールディングだろう。
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