2つ目の永世称号を獲得した藤井聡太。8月の対局を振り返る
王位戦は4勝1敗で防衛。棋聖戦に続き5連覇を達成し、こちらも永世称号の資格を得た。早くも2つ目の永世称号だが、これからも順調に実績を積み重ねていくだろう。 ※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。 【写真を見る】王座戦、竜王戦の防衛を控える藤井聡太 8月19、20日に伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負第4局で渡辺明九段と対戦。渡辺の矢倉に対し、藤井は中央からの急戦で動いてペースをつかむ。寄せありと見てからは駒を捨てて畳みかけ、たちまち先手玉を受けなしに追い込んでしまった。苦しい内容が続くシリーズだが、本局は快勝で3勝1敗と防衛に迫る。 8月27、28日に王位戦第5局で渡辺九段と対戦。後手の渡辺の雁木に藤井は急戦で動いていく。玉が露出する顔面受けからうまく局面をまとめて反撃に転じると、最後はきっちりと攻防を織り交ぜて一手勝ちを収めた。これで王位戦七番勝負を4勝1敗で制した。また、王位5連覇により、史上4人目の永世王位の資格を得た。タイトルは通算24期目。 第72期王座戦五番勝負の挑戦者は永瀬拓矢九段(15勝7敗)に決定。第1局は9月4日に行われる。 第37期竜王戦七番勝負の挑戦者は佐々木勇気八段(4勝2敗)に決定。第1局は10月5、6日に行われる。 第32期銀河戦本戦で藤井はHブロック最終戦に登場する。手前には近藤誠也七段、三浦弘行九段らが控えている。放映は10月の予定で、勝てば決勝トーナメント進出。 第74回NHK杯将棋トーナメント本戦で、藤井は2回戦で西山朋佳女流三冠(初手合)と対戦する。放映は9月15日の予定。 第45回将棋日本シリーズJTプロ公式戦で、藤井は2回戦で佐々木大地七段(9勝4敗)と対戦する。 ABEMAトーナメント2024で藤井はリーダーとして出場。チームメイトには羽生善治九段と青嶋未来六段を指名。8月3日に放映された本戦1回戦ではチーム渡辺(渡辺明九段、山崎隆之八段、岡部怜央四段)と対戦。藤井は2勝0敗、チームは5連勝と圧倒した。 8月31日に放映された準決勝ではチーム永瀬(永瀬拓矢九段、増田康宏八段、森内俊之九段)と対戦。藤井は2勝0敗だったが、チームは3勝5敗で敗退となった。 SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2024の開催が発表。西側で唯一のタイトルホルダーである藤井は選出が決定している。 文=渡部壮大
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