「ネスカフェ原宿」がフルリニューアル、サステナ体感ストアへ
記事のポイント ①コンセプトストア「ネスカフェ原宿」がフルリニューアルした ②店舗開発からメニューまで同社の若手メンバーが考案した ③カフェ利用だけでなく、アップサイクルのワークショップなども行う
ネスレ日本は4月5日、「ネスカフェ原宿」をリニューアルオープンした。サステナビリティをブランドの核に持つネスカフェのコンセプトストアだ。コーヒーボトルのカスタマイズや使用したネスカフェ製品で新製品を作るアップサイクルなどを体験することもできる。店舗開発からメニューまで、同社の若手メンバーが中心になって企画した。(オルタナ副編集長=池田 真隆)
「特にこだわったのは、リサイクル可能な段ボールで制作したコーヒーの木です」。こう話すのは、ネスレ日本 飲料事業本部レギュラーソリュブルコーヒー&システム&ギフティングビジネスボックス部に所属する益戸洋平氏だ。ネスカフェ原宿のフルリニューアルにあたり、益戸氏がリーダーとなり、20~30代のメンバーが集まった。
若者が多い原宿で展開するには、より若者に近い世代の価値観で企画することが重要だと考えた。同社にとって、若手メンバーだけでプロジェクトを組むことは珍しい。 内装を決める際、益戸氏が提案したのが、「コーヒーの木」だ。ネスカフェは2023年秋から、新コンセプトとして「Make your world」を掲げた。コーヒー豆の調達から製造、消費、廃棄までライフサイクル全体で環境配慮に取り組む。 ネスカフェとしてサステナビリティを強化する背景には、「コーヒーの2050年問題」がある。コーヒー栽培に適した土地は、北緯25~南緯25度に限られている。気候変動の影響で、コーヒー栽培に適した土地が最大で50%減ることが予測されている。さらに、コーヒー農家の約8割が、貧困状態にもある。 人口が増え、コーヒーに依存する人が増えていくと、2050年にはコーヒーが飲めなくなる日が訪れるかもしれないのだ。
■コーヒーの木で情緒的な「つながり」を
あえて席数を削り、コーヒーの木を最も目立つ場所に配置したのは、コーヒー農家との「つながり」を意識させ、ネスカフェのブランドコンセプトを打ち出すためだ。 コーヒーの木があることで、店内には農園にいるように解放感と温かみのある空間が広がる。壁には、コーヒー農園から一杯のコーヒーができるまでの工程を描いた巨大な絵を飾った。 スタッフが着用するユニフォームは、詰め替えパッケージである「ネスカフェ ゴールドブレンド エコ&システムパック」をアップサイクルして作った。カウンターテーブルの天板もそうだ。