「支出予定は1.3万円」「59%が飲食を購入予定」【Shopifyが年末商戦の意識調査を実施】
Shopify(ショッピファイ)の日本法人Shopify Japanはこのほど、日本を含む9カ国で、2024年のブラックフライデー・サイバーマンデーや年末商戦に関する意識調査を実施し、その結果を発表した。ブラックフライデー・サイバーマンデーの割引キャンペーンを提供する企業が増加する中で、ブラックフライデー・サイバーマンデーで、日本の消費者の購入予定がもっとも多いアイテムは、飲食分野で55%が購入を予定していることなどがわかった。 【画像5点】年末商戦に関する消費者調査の結果 Shopify Japanは、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、英国、米国の9カ国で、1万8000人の消費者を対象に実施した、2024年のブラックフライデー・サイバーマンデーや年末商戦に関する意識調査の結果を発表した。 2024年のブラックフライデー・サイバーマンデーの4日間での日本の消費者の支出予定額は、平均で1万3211円だった。支出傾向には世代別の傾向が見られ、18~24歳の若年層は前年に比べて支出をやや増加させる意向を示しており、10%が「支出が増える」と回答した。この若年層の約半数(49%)は、年末までの買い物を11月末に終わらせる計画を立てており、割引を利用するために早めに動き出す傾向がうかがえる。 一方、45~64歳の年齢層では、まとめ買いをしたり、年間を通して計画的に買い物を行う傾向がある。ブラックフライデー・サイバーマンデーや年末商戦での買い物を計画している人は平均2万2352円の支出を予定しており、計画をしていない人でも平均7758円の買い物する予定と回答している。 日本での年末商戦での買い物ジャンルの中で、「食べ物・飲み物」を購入予定と回答した消費者は59%にのぼり、もっとも多い結果となった。さらに飲食分野は、ブラックフライデー・サイバーマンデー期間中に購入予定のジャンルの中でも55%と最も多いことがわかった。次は「アパレル分野」で、42%がセール期間中に衣類を購入する予定と回答した。3位はエレクトロニクス分野(22%)で、健康・美容分野(20%)を上回る結果となった。 その他、ギフトの好みは実用性重視の傾向が強く、51%の消費者が「役立つもの」、48%が「無駄にならない消耗品」を選ぶと回答した。世代別の傾向として、65歳以上のシニア層は、実用的なギフト(57%)を最も優先し、次に無駄にならない消費財(53%)を挙げている。18~24歳の若年層でも、無駄にならない消費財(46%)を好む傾向が強く、次にトレンド商品(44%)、そして実用的なギフト(43%)が続く結果となった。また、男性は実用的なギフト(53%)を好む一方で、女性は無駄にならない消費財(53%)を好む傾向がみられた。 コロナ禍を経て現在、ブラックフライデー・サイバーマンデー、および年末商戦では、ハイブリッドショッピングが大きな役割を果たす見込みだとし、実際に51%と約半数の消費者が、少額の商品はオンラインで購入し、金額の大きい商品は実店舗で購入したいと回答している。また、30%が「オンラインとオフラインの両方のチャネルを活用して年末商戦の買い物を計画している」と回答しており、日本の事業者にとってはOMOによる顧客体験の重要性を示唆していることがわかる結果となった。 ソーシャルメディアでの購入は、若年層の購買行動に大きな影響を与えており、49%が「Instagram」、42%が「TikTok」、41%が「YouTube」で購入していることがわかった。一方、年齢が上がるにつれてこの傾向は下がり、35~44歳の消費者では「Instagram」での購買は24%、「TikTok」では14%に留まる結果となった。 Shopifyが今年実施した調査「事業者の実態調査」では、最も重要なマーケティングチャネルとして62%の事業者が「オーガニックソーシャルによる販売」と回答しており、ソーシャルメディアでの購買に関する重要性が高まっていることがうかがえる。 消費者が求める機能やテクノロジーに関しては、時間やお金の節約に役立つ実用的なツールがもっとも関心を集めた。特にこの1年間でもっとも利用されたのは「価格比較ツール」(44%)で、続いて「リアルタイム注文追跡」(17%)、「モバイルアプリ」(16%)という結果になった。」「空間コマース」(4%)、「チャットボット」(4%)、「バーチャルリアリティ・拡張現実」(3%)などの機能の利用者はまだ少ないものの、18~24歳の若年層では、これらの機能を利用する割合がそれぞれ10~11%ほどの割合を占め、新たな機能の利用は増加傾向にあることがわかった。 2024年は、生活費の上昇が消費習慣に影響を与えており、45%の消費者が「自由支出を控えている」ことが判明した。また、62%が「購入前に価格を比較」すると回答しているほか、54%が「節約のためにセールで購入する」と回答している。さらに購入を決定する際に影響する要素として、「割引」(54%)と「送料無料」(46%)が高い割合を占めていることから、ブランドロイヤルティの構築において重要な要素となっていることがうかがえる。物価高の影響を受け、消費者は年末商戦でもより実用的で無駄のないギフトに注目し、慎重にアプローチしていることがわかる結果となった。 こうした消費者行動の変化に対応し、より良いショッピング体験を提供する上で、AIの重要性も高まってきている。AIの活用で期待していることをたずねたところ、消費者の31%が「AIが実店舗体験を改善できる」、次いで27%が「AIを利用して節約できる」に期待を寄せていることがわかった Shopifyでは、2022年から2023年にかけて、ブラックフライデーとサイバーマンデーの売上が前年比24%増加した。年末商戦におけるオンラインショッピングの需要の高まりに対応しながら、引き続き、事業者の事業拡大のためのサポートを行っていく考えを示した。
日本ネット経済新聞