思考力で解ける!「東大の入試」を解いてみよう シャッター通り商店街が増えているのはなぜか
■問いを2つに分解する つまりこの問題では、2つのことを聞いているのです。 1 なぜ、地域の商店街はもともと人気だったのか? 2 なぜ、地域の商店街の人気がなくなってしまったのか? それは、どんな要因なのか? 以上の2つです。このように問いを分解することができれば、問題に対するアプローチが容易になります。 さて、ここからは地理の知識や日常生活での経験を総動員して考える必要があります。 皆さんの家の近くに、商店街はありますか? おそらく多くの商店街は、駅から一本道のところにずらっと並んでいるのではないでしょうか。八百屋や魚屋や肉屋が並んでいて、道を歩きながら商品を購入していることと思います。
では、商店街が人気だったのはなぜなのでしょうか? おそらくは、「駅」の存在が大きいはずです。 駅は交通の拠点で、人の往来が多い。だからこそ駅前にある商店街は栄えていたと考えられます。 しかし、今はどうでしょうか? 商店街が栄えていた時代に比べると、自家用車を保有している人はかなり増えました。 商店街での買い物は、いろんなお店で商品を買った後に、電車に乗って(または徒歩で)家まで荷物を運ばなければならないので、持ち運びが大変ですよね。
その点、自動車だと大量の荷物が運べるので、楽に買い物ができます。ファミリー層にとっては、日用品や食料品をまとめて買うことができるため、自動車を使ってスーパーにいくほうが楽でしょう。また同じチェーンであれば、他の地域の店舗でも使えるポイントも貯まるので便利ですよね。 「1 なぜ、地域の商店街はもともと人気だったのか?」 →「駅前にあり、人の往来が多かったから」 「2 なぜ、地域の商店街の人気がなくなってしまったのか? どんな要因に拠るものなのか?」
→「電車ではなく車による移動が増えて、車で利用しやすい店舗のほうに客層を奪われたから」 というように考えることができるわけですね。 ■思考を整理してから語群に注目 そう考えて語群を見ると、まず「駐車場」と「モータリゼーション」という言葉があります。スーパーマーケットには駐車場があるため、その駐車場を使えば荷物を運ぶことが容易であるということを示すためのキーワードだと考えられます。 逆に「商店街」は、駅からの客を想定しているため、駐車場がなかったり、遠くにある場合もあります。これも商店街の人気がなくなってしまった要因の1つかもしれません。