元宝塚・紅ゆずるが新境地「お口チャック」で挑むミステリー、最新舞台が大阪に
2019年に宝塚歌劇団退団後、数々の舞台やバラエティ番組などでも活躍する元宝塚歌劇団星組トップスターで女優の紅ゆずる。10月13日、14日に「COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール」(大阪市中央区)で上演される、舞台「ノサカラボ『ゼロ時間へ』」に出演する彼女に、地元大阪でリラックスした雰囲気のなかで、じっくり話を聞いた。 【写真】「超端正!」の掛け声とともに撮影したショット ◆ 宝塚時代も活きた、紅ゆずるのコミュニケーション術 ──今回、以前舞台でも共演した俳優・三田村邦彦さんとの『おとな旅あるき旅』(テレビ大阪)のロケ現場にお邪魔していますが、おふたりとも地元のお母さんたちとも打ち解けていらっしゃいましたね。 紅ゆずる(以下:紅):あのお母さんたち、面白かったですね。三田村さんとロケでご一緒すると、どこに行っても街の人たちに優しくて。以前東京で経験した街ブラロケはこんなに順調にはいきませんでした。毎回撮影がスムーズなのは、本当に「気遣いの人」三田村さんのお力が大きいと思います。 ──三田村さん同様に、紅さんも宝塚歌劇在団中からずっと「気遣いの人」だと思います。 紅:そう見えてますか? わたしは「気遣ってないように見せる」のが最大の気遣いだと思ってます。だから、相手と心の距離を縮めていきたいときは、「あなたを認めているよ」っていう気持ちを込めて、適度な「ため口」を使ったりしながら、どんどん話すようにしてます。こちらが委縮しているのがバレてしまうと、相手も本気ではきてくれないし、腹を割って話すのは難しいじゃないですか。 宝塚時代も、先生方に対しても、どんどん勢いよく話しかけに行ってました。男役の「黒燕尾」シーンの振付でお馴染みの大先生、羽山紀代美先生もそれをとても喜んでくださっていました。 ──紅さんが、宝塚の先生方からも可愛がられている様子が想像できますね。 紅:同じやるなら「楽しく」っていう気持ちもあります。「スカイステージ」という宝塚歌劇専門のCS放送があって、そのお仕事でも、カチコチに真面目な番組ではなく、ファンに喜んでもらうために「面白くしたい!」っていつも思っていましたね。 先輩の男役ユニット「AQUA5」(※当時宝塚歌劇団雪組トップスター・水夏希を中心に、彩吹真央、音月桂、彩那音、凰稀かなめで結成された)に憧れて、劇団非公式の「紅5」(※当時宝塚歌劇団星組所属の紅ゆずるを中心に美弥るりか、壱城あずさ、如月蓮、天寿光希で結成されたユニット)という、地下活動をはじめたり・・・。舞台以外にもいろいろやってましたね。 ◆ 最新舞台はミステリー。いつもとガラッと異なる役に挑戦 ──10月13日、14日に大阪で公演される舞台『ゼロ時間へ』について、お聞かせください。 紅:「ミステリーの女王」と呼ばれるアガサ・クリスティーの同名小説が原作で、ギュッと小説のいいとこどりをしたような舞台になっています。今回は、今まで演じたことのないような、終始「お口チャック」の役なんですよ。演じていて、とても新鮮です。 ──宝塚歌劇の同期・鳳翔大さんとも共演されますが、紅さん得意のアドリブは出るんでしょうか? 紅:それは絶対にないです! 怒られます! 今回演じる「オードリー・ストレンジ」は、原嘉孝さん演じるイギリスの貴族「ネヴィル」の前妻、という役どころで、鳳翔演じる「ケイ」は、その「ネヴィル」の現在の妻という、微妙な関係なんです。 稽古場でもベラベラしゃべったりしてないですよ。今回はとにかく人間模様の「ドロドロ感」が見所なので、それをじっくり楽しんでもらえたらと思います。 紅ゆずる出演の舞台「ノサカラボ『ゼロ時間へ』」大阪公演は、10月13日~14日、「COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール」(大阪市中央区)にて上演される。 また、紅ゆずるが出演する『おとな旅あるき旅』は、10月19日・夜6時30分から放送。「大阪・長居×住吉大社」での、地元愛たっぷりの美味いもんや、幻想的なナイトガーデンでの大阪下町さんぽの様子を放送する。 協力:CAFE ORG取材・文・写真/Lmaga.jp編集部