楽天、球団創設20年目で初の交流戦V! 就任1年目の今江監督「球団史に名を残せる。非常にうれしいです」
念願の初V! 楽天は16日、広島最終戦(楽天モバイルパーク)に5―3で勝利。球団創設20年目で初の交流戦優勝を決め、賞金3000万円を獲得した。前日15日にソフトバンクに同率で首位に並ばれて迎えた最終戦。3-0の三回に4番・鈴木大地内野手(34)が貴重な1号2ランを放ち、タイトルを引き寄せた。ソフトバンクは阪神に敗れた。 【写真】楽天がプロ野球交流戦初優勝したことを表示する電光掲示板 メモリアルVは時間差で決まった。広島を相手に交流戦最終戦で白星を飾り、選手とコーチはひとまず本拠地のロッカールームへ引き揚げた。約40分後、同率で首位に並んでいたソフトバンクが阪神に敗れると、今江監督が満面に笑みを浮かべて会見場に現れた。 「やっと笑える。球団創設20周年で優勝し、球団史に名を残せる。非常にうれしいです」 試合後も客席に残った楽天ファンは、大型スクリーンでソフトバンク-阪神の中継を見守り歓喜の瞬間をともにした。正面玄関には一番乗りで宮城出身のお笑いコンビ、サンドウィッチマンから祝福の花が届いた。 振り返れば、いばらの道だった。5月21、22日のソフトバンク2連戦で計33失点。就任1年目の監督は、そこから情を捨てる。3、4番を任せていた島内、浅村が本来の力を発揮できないでいると、交流戦開幕前日(同27日)に島内に2軍降格を通告。DeNAとの開幕戦に敗れ、借金は今季最大の9に。「グラウンドに立ち続けてほしい特別な選手」と敬意を表してきた浅村も6月1日のヤクルト戦では8年ぶりの6番に打順を下げ、DH制のなかった4日からのセ本拠地での6連戦では先発から外した。 新たな4番には、5月の月間打率が・293と好調だった鈴木大を据えた。プロ13年目の左打者は「そのうち打つべき人が戻るので、それまでつないでいこうと思っている」と言い、この日も3-0の三回無死一塁で貴重な追加点となる1号2ランを放った。アドゥワの内角直球を右越えに運び「誰もが思わないような結果が出たので自分でもびっくり」。これで全12球団から本塁打をマークした。 交流戦の個人成績を見れば、1番・小郷が全体3位の13打点と勝負強さを発揮。投手陣では藤井がトップに並ぶ3勝、早川が3位の防御率0・39をマークし、入団4年目を迎えた左腕2人が頼もしい活躍を見せた。
「選手、コーチをほめてあげてください。本当に頑張ってくれた」と今江監督。ここ数日「優勝は意識しない」と話していたが、実は7、8日の中日戦で2連勝した直後から優勝の2文字が頭にちらついたという。勝率も再び5割に復帰。40歳の指揮官が、最年少の交流戦優勝監督として足跡を残した。(広岡浩二)