IMF専務理事、「ぬるい20年代」警告-インフレと債務への対応必要
(ブルームバーグ): 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は11日、世界経済の成長率予測を若干上方修正することを示唆する一方、インフレと債務問題に対処しなければ、2020年以後の世界経済が「ぬるい20年代」に向かうリスクがあると警告した。
専務理事はワシントンでのスピーチで、16日に発表されるIMFの新たな予測で世界経済の成長率が「わずかに強くなるだろう」と明らかにした。1月発表の見通しでは今年は3.1%、2025年については3.2%とされていた。
IMF、世界の成長見通し上方修正-米国の好調と中国の財政支援で
専務理事は堅調な消費と投資に加え、サプライチェーン問題の改善が、米国と多くの新興国市場における力強い成長の原動力となっているとしながらも、インフレからまだ完全に脱却しておらず、ほとんどの国の債務水準は高過ぎると指摘。
「軌道修正がなければ、われわれは実際に『ぬるい20年代』という低迷と期待外れの10年間に向かうことになる」と述べ、IMFの中期的な世界成長見通しは依然として「過去の平均を大きく下回る」3%強にとどまっていると説明した。
専務理事はまた、各国・地域の中央銀行に対し、新たなインフレサプライズを引き起こしたり、経済活動に冷水を浴びせたりするリスクのある拙速もしくは遅過ぎる金融緩和を回避するよう求めた。
原題:IMF Warns of ‘Tepid Twenties’ as Global Growth Inches Higher (2) (抜粋)
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