ブラックロックの「iシェアーズETF」シリーズにインド株「Nifty50」に連動するETFを追加
信託報酬の低さは「iシェアーズ」シリーズとして意識しているポイントですが、商品企画の段階であったのは、東証上場ETFの中で、投資家の皆様の中長期の資産形成を後押しするために低コストのインド株ETFを提供したいという強い想いでした。その後、公募投信の市場でもインド株インデックスファンドが多数企画されるようになり、その中で信託報酬の低いファンドが現れました。
ただ、インド株のような新興国の株式市場は、価格変動率(ボラティリティ)も大きくなりがちです。一般に海外資産に投資する公募投信を購入する場合、約定日が翌日以降になるなど、機動的に売買することができません。為替変動の影響を考えると、買いたい・売りたいと思ったタイミングで売買できないことによって思わぬ機会損失になることもあります。例えばインド総選挙の結果が開票された6月4日、Nifty50指数は日中8%以上下落し、過去4年間で最大の下落率となりました。この点、ETFは東京証券取引所に上場していますから、取引時間中に売買することが可能ですし、値段を指定して指値で注文することもできます。この機動的に売買できるという利便性は見逃せない点かと思います。
また、公募投信の場合、取り扱い販売会社が限られている場合があります。その点、ETFは株式を取り扱う証券会社であれば、どこでもお取り扱いいただけますので、それだけ多くのお客様に購入しやすい商品になっています。
――「iシェアーズ Nifty50 インド株ETF」について、他のインデックスとの相関関係などを手掛かりに、組み合わせて投資するメリットが出やすいETF等はありますか?
たとえば、「全世界株式(MSCI ACWI)」に連動する投資信託を保有されている方は、インドへの投資比率は1.9%程度になっています。ところが、世界のGDPに占めるインドのGDP比率は2023年の名目GDPで3.4%(米ドル建て)を占めています。世界の株式市場の時価総額の比率でみると、2024年4月末現在でインドは4.0%を占めています。全世界株式インデックスに占める比率の2倍超です。通常のインデックスファンドでの運用では、インド株への投資比率が足りていないので、個別のインド株ETFで足りない分を補うという使い方をしていただけると思います。「iシェアーズ Nifty50 インド株ETF」は投資単位が10口、2000円程度ですから買い足しを手軽に行っていただけると思います。