「シティポップ・スタジオ」に11アーティストが集結。松本隆の秘話トークも。
近年、日本発で世界的な注目を浴びているシティポップ。1970~80年代の音楽シーンで、洋楽の様々なエッセンスを取り入れて生まれた都会的テイストが、インターネットで時を越えて再評価を受けた。その代表的アーティスト11人が集ってライブを行う「シティポップ・スタジオ」(BS朝日)の第2弾が放送された。同じメンバーによるライブも行われる。 【全ての写真】「シティポップ・スタジオ」(BS朝日)より
南佳孝、EPO、鈴木康博らが名曲を次々と
サックスをフィーチャーしたイントロから「Want you」。「シティポップ・スタジオ」は南佳孝の「スローなブギにしてくれ」で幕を開けた。81年にヒットしたオーソドックスな三連ロッカバラードの名曲。浅野温子が初主演した同名映画の主題歌だった。当時の角川映画の手法でテレビCMでたびたび流れていたのを、ミドル世代は思い出すだろう。40年余りを経て、南はギターをストロークしながら枯れた味わいの歌を聞かせ、「人生はゲーム」とシャレた渋みが醸し出されていた。 MCの宇賀なつみが「全曲生バンドの演奏でたっぷりお届けします」と告げて、登場したのはEPO。体を軽く揺らしながら、「土曜の夜はパラダイス」を披露した。82年リリースの大人気番組『オレたちひょうきん族』エンディングテーマ。EPOは変わらぬ伸びやかなボーカルで軽快に歌いながら、「シュビドゥビ」と大人の茶目っ気も。あの頃の土曜の夜のワクワク感が蘇るよう。 ナイアガラ・トライアングルの極上のポップチューン「A面で恋をして」は、81年のメンバーだった杉真理、最初のメンバーの伊藤銀次、そしてSING LIKE TALKINGの佐藤竹善という編成でカバー。 両手を下げて歌う佐藤、アコースティックギターの杉、エレキギターの伊藤がトライアングルを作る位置に立ち、ポップで心地良いコーラスを響かせた。大瀧詠一がバディ・ホリー×フィル・スペクターのイメージで作り上げたというオールディーズのメロディは、A面もB面もないCDから配信の時代になっても色褪せない。 小田和正と共にオフコースを結成した鈴木康博は、80年の大ヒットアルバム『We are』収録で自身が作曲した「一億の夜を越えて」を、ギターを奏でてセルフカバー。オフコースではロック色が突出していたナンバーが、静かな熱が漂う歌いっぷりで光る。間奏のエッジが効いたギターソロも聴き入らせた。