「不妊手術からすでに20年以上」旧優生保護法訴訟 3日の最高裁判決のポイントは『除斥期間』原告は「きちんと責任を取ってもらいたい」【記者解説】
後藤キャスター: 仙台以外の裁判では、「除斥期間」についてどのように判断されたのでしょうか? ■「除斥期間」分かれる判断 阿部記者: 3日の最高裁判決の対象になっている全国5つの裁判の高裁での判決についてまとめました。 実は仙台以外の4つの高裁では原告が勝訴しているんです。この4つの高裁判決では、旧優生保護法により原告の人権が大きく侵害されたことなどから「著しく正義・公平の理念に反する」として、「除斥期間」は適用しませんでした。つまり、仙台以外の4つの高裁は、「不妊手術から20年以上が経っていたとしても原告は賠償請求ができる」と判断したのです。 後藤キャスター: 最高裁判決ではこの「除斥期間」の適用が大きなポイントになるわけですね。 阿部記者: 原告が勝訴した仙台以外の4つの高裁判決ですが、「除斥期間を適用しない範囲」、つまり「賠償請求を認める範囲」にばらつきがあります。例えば、2022年2月の大阪高裁判決では「2018年の仙台地裁の提訴から6か月間は賠償請求を認める」と判断。 一方で、2022年3月の東京高裁は「2019年の一時金支給法の制定から5年は賠償請求を認める」と判断しました。 最高裁判決ではこうした賠償請求を認める起点や期間に対し統一判断が示される可能性があります。 このほかにも全国では除斥期間に関係なく原告が勝訴している判決も出てきています。最高裁判決で下される「統一判断」の内容によっては、未だ声をあげられていない全国の被害者の救済にも繋がる可能性があり、非常に大きな判決と言えます。
東北放送