写真家・岩合光昭、原点はガラパゴス ネコにいい顔してもらえる秘訣とは?
フットワークよく歩きまわるためのカメラでネコを撮影 新たな興味はカピバラ
また、岩合は長年、フォーサーズあるいはマイクロフォーサーズと呼ばれるフォーマットのカメラを愛用している。ボディやレンズなど機材全般が小型軽量で済むのだが、そのぶん、画像を記録するイメージセンサーのサイズも一般的なプロ用カメラと比べ一回り小さい。だが、画質上のハンディは感じないという。 「大きなサイズの必要性は、まったく感じないですね。僕が皆さんにご覧いただいている写真は、マイクロフォーサーズで十分対応できる。今回の写真展でもかなり大きく引き伸ばしている作品がありますが、画質のクォリティー的にも大丈夫です」 フットワークよく歩きまわって、ネコを見つけたら、愛を持って言葉をかけながら撮らせてもらう。命令するのではなく、ネコにお願いして撮らせてもらう。岩合の言葉からは、そんな撮影スタイルが思い浮かぶ。 いま、カピバラにも新たな興味を抱いているそうだ。 「南米のパンタナルで、自然のなかに生きているカピバラを撮って本をつくろうかな、と考えています。皆さん、温泉入るカピバラしか知らないと思うんです」 楽しそうに笑う。19、20歳のころ、ガラパゴスの海でアシカに肩を叩かれたときにも、きっとこんなふうに楽しそうな笑顔だったのだろう。 (取材・文・撮影:志和浩司)
写真展『岩合光昭の世界ネコ歩き2』 5月14日まで、日本橋三越本店(7階催物会場)午前10時から午後6時半(最終日は午後5時半)まで。入場料は一般・大学生800円、高校・中学生600円、小学生以下は無料。 5月12日(土)・13日(日)は、岩合光昭のギャラリートーク(各日午後1時~・午後3時半~※要入場券)とサイン会(各日午後2時~・午後4時半~※図録または写真集を購入した各回先着200人限定)を開催。