都内に転職したのですが、朝の電車って「遅延」しすぎじゃないですか? 電車遅延なら遅刻しても大丈夫でしょうか…?
電車を通勤や通学に利用している人も多いと思いますが、朝と夕の通勤・帰宅時間には混雑しやすい傾向にありますよね。場合によっては、予定時間より到着が遅くなるケースもあり、それが原因で会社に遅刻してしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。 そこで、本記事では朝の通勤時に電車の遅延が原因で遅刻した場合、それが正当な理由として認められるのかについて解説します。
遅刻は「債務不履行」に該当する
会社の所定労働時間に遅刻する行為は、雇用契約上の「債務不履行」に該当します。分かりやすく言えば、「会社に雇用された際に結んだ雇用契約を守らなかった」ということです。また、遅刻が本人の責任か、自然災害などやむを得ない事情かなどが重要なポイントとなります。 ・遅刻の理由に帰責事由があるかないかが重要 遅刻してしまった場合、事実は変えられません。その遅刻が従業員本人の責任なのか、そうではないのかを判断するために、事実を明確に伝える必要があります。具体的には、従業員本人の責任がある遅刻を「帰責事由がある」、ないものを「帰責事由がない」と言います。「帰責事由がある」ものとは、寝坊など従業員に責任があるものです。 一方、自然災害など従業員が自分で解決しようがないものは「帰責事由がない」とされます。電車の遅延の場合は、従業員にとっては「帰責事由がないもの」となります。 ・遅延証明書を提出すれば問題はないのか? 遅延証明書とは、電車が5分以上遅れたときに鉄道会社が発行する証明書のことです。遅延証明書は、場所によっては駅に専用の発行機があり、発行機がない場所であればホームページから取得できます。 一般的には、電車遅延で会社に遅刻した場合、遅延証明書を提出することで遅刻扱いにならないケースが多い傾向です。 ただ、遅刻に厳しい会社もあるため、そういった会社では遅延証明書を提出しても遅刻扱いされる可能性もあります。ちなみに、遅延証明書を提出したにもかかわらず遅刻扱いされた場合で、かつ遅刻理由が正当なものであれば、不当として裁判で争うことも可能です。 ・何度も遅刻している場合は懲戒処分の可能性も出てくる 遅延証明書を提出したとしても、遅刻の頻度が多い場合には仕事にも影響が出る可能性があります。ここで重要なのは、自分なりに遅刻にならないように日ごろから対策をしているかどうかです。 例えば、遅延が多い路線を使用しないようにしたり、時間に余裕をもって行動したりすることなどが挙げられます。通勤距離によっては、電車以外の方法(自転車など)を選択することも一つの方法と言えます。そういった対策をしていなければ、電車遅延が理由の遅刻であっても、懲戒処分の可能性もないとは言えません。 また、遅延証明書を提出するとしても事実確認はされるため、きちんと正確な事実を伝えるようにしましょう。懲戒処分を何度も受けているにもかかわらず遅刻をしているようだと、最悪の場合、解雇につながるため注意が必要です。
必要に応じて遅延証明書を提出するのが重要
電車の遅延が原因の遅刻は、原因が自分にある訳ではありません。そのため、必要に応じて遅延証明書の提出をすれば遅刻とされないことが多いでしょう。ただ、何度も、しかも頻繁に遅刻している場合は懲戒処分の対象になる可能性があるため、遅刻しないように自らも対策することが重要です。 例えば、時間に余裕をもって行動したり別の路線を利用したりするなどの方法が挙げられます。通勤距離によっては、自転車など電車以外で通勤する方法を考慮するのもよいでしょう。 出典 JR東日本 遅延証明書 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部